FOMCと日銀会合のポイント

ドル円は9月14日週、155円付近で推移した後、FOMCの利上げを受けて156円台まで上昇した。さらに日銀の利上げ決定後に157円台、植田総裁の記者会見の途中から158円台まで続伸した。審議委員2名が反対したことに加え、総裁から追加利上げに慎重な表現もみられた点が材料視されたとみられる。主要通貨の対ドル変化率ではドルが全面高となり、円は最下位だった。なお、動画収録後に日本の通貨当局によるレートチェックが実施された模様である。

FOMCは市場予想通り0.25ポイントの利上げを決定した。事前には物価に対する評価が割れていることから9月は見送りと予想していた。しかし、今回明らかになったのは、ウォーシュ議長率いるFOMCは原油高や関税といった供給サイドの要因であっても、2%を上回るインフレには利上げで対処する方針である点だ。また、トランプ大統領が利下げを強く求める中での利上げは、中央銀行としての独立性を示したとみることもできる。

ドットチャートでは18人中16人が年内の追加利上げを適切と判断し、うち4人は10月、12月の連続利上げを適切とした。原油相場の前年比が再び60%台と高い伸びを示しており、こうした状況が続く限り、年明けまでを展望し、2回の追加利上げは十分にあり得る。市場も年内約1.3回を織り込む。クリーブランド地区連銀のインフレナウキャスティングは8月、9月とインフレの加速を示しており、9月30日発表の8月分が同様の結果となれば、10月利上げの織り込みも高まろう。

日銀の植田総裁は「政策の局面が変化した」とし、今後は物価の上振れリスクも同程度に考慮する姿勢を示した。利上げペースの加速を示唆するものだが、反対者が2名も出たことや、急激な利上げによる資産価格の調整を回避する重要性への言及もあった。12月利上げの言質を与えず、その可能性も残すバランスの取れた内容だったと評価できるが、市場はやや慎重な言い回しに注目し、円安を招いた模様だ。もっとも、OIS市場では来年半ばにかけて日銀の利上げの織り込みが最も低いままであり、仮に12月に利上げに踏み切った場合でも、他の中央銀行がそれ以上に利上げをしていればむしろ円安となり得る。マイナス圏にとどまる短期の実質金利も円安の一因として残るだろう。

投機筋の円ショートは9月8日時点で大幅に縮小し、円の買戻しは一巡した可能性が高い(9月15日時点では約2.3万枚のネットロング)。ネガティブキャリーを伴う円ロングは長期保有に不向きで、円売りが再開する可能性の方が高い。以上を踏まえ、年末のドル円を先週示したマトリックスの中の155円から160円程度へ上方修正するのが妥当だ。来週はドルがじり高に推移するなか円売りも再開し、160円に迫る場面もありそうだ。24日の米中首脳会談では、11月末に期日を迎える関税の休戦措置も話し合われる可能性が高く、対立が先鋭化すれば投資家心理への悪影響が懸念される。

詳細は以下の動画をご覧ください。

 

最新のコメント

当社アプリをインストール
フォローする
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2026 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます