USDは、先週、当社が追跡しているほぼすべての通貨に対して暴落した。
対インドネシアルピア(IDR)と対インドルピー(INR)でかろうじて小幅な上昇となった。いくつかの通貨は、2%超の上昇を記録した。この売りの勢いは、ニューヨーク取引時間中についに衰え始め、EUR、JPY、GBPは、その週の高値を更新することができなかった。先週、7月の中国経済に回復の兆しが見られたことから、センチメントに変化が生じ、コモディティー通貨の強さが金曜日の顕著なトレンドとなった。木曜日に輸入が予想外の好調さを示し、金曜日には、鉱工業生産指数が予想よりも好調な数値を示し、貸付と広義マネーサプライの増加もみられたことから、コモディティーに対するセンチメントが回復した。S&P 500部門で金曜日に上昇したのは基本資材だけで、先週S&P 500の金属および鉱業指数は、6.1%の伸びとなった。軟調な雇用統計が当初USD/CADを上昇させたが、同ペアは急激に安値まで戻すことにより、CADがこの世界的な要因の重要性を示した。さてそこで生じる大きな疑問は、この中国の輸入動向が本物かどうかという点であり、もしそうだとすれば、どの程度持続するのかという点である。
今週の焦点は、第2四半期のGDPデータであろう。日本は、昨晩、前四半期比3.6%の予想に対して2.6%の成長率を示し、今週は期待外れのスタートを切った。日本の経済指数が依然としてかなり予想外の結果となっているが、これは、指標は市場の予想を超えがちであることを示しており、アナリストがより楽観的になり、不幸にもデータがいくらか軟調になることで、このような事態が生じていると考えられる。本日、このほかに発表が予定されている重要な指標はない。
今週、そのほかに注目されるのは、火曜日であり、米国の小売売上高、ユーロ圏鉱工業生産指数、ZEW指数、そして水曜日のユーロ圏の第2四半期GDP指数とユーロ圏各国の経済指標、そしてイングランド銀行の議事録である。これらは、金融政策委員会が、金利を引き下げるのではなく、引き上げたことに対して、非常に多くの条件で以て将来的な政策指針を免責するという悲惨な決断にどのようにして達したのかという点を知るためには、必読であろう。木曜日には、英国の小売売上高と米国のCPIとIPが発表され、金曜日には、米国の住宅着工件数が発表される。今週、主な中央銀行の会議は予定されていない。
マーケット
EUR/USD
• EUR/USDは、金曜日の取引時間中に下落し、現在、上昇トレンドチャネルの下限を試しつつある。このため、この動きは、価格が引き続き上昇を続ける前の戻しであると考えられる。同ペアは、4時間チャートにおいて20期間移動平均近くで取り引きされているが、依然として200期間移動平均を上回っており、強気領域で取り引きされていることを裏付けている。現在、価格は心理的水準である1.3300近くにある。これを下方突破すれば、1.3185水準に向けて推移するだろう。
• サポート:サポートは、1.3300の心理的水準に見出され、1.3185と1.3058がこれに続くだろう。
• レジスタンス:短期的(4時間チャート)に見出される唯一のレジスタンスは、最近の高値である1.3416である。次のレジスタンスは、1.3525と1.3705で、日足チャート上に見出される。
USD/JPY
• USD/JPYは、金曜日の取引時間中、横ばいで推移し、61.8%リトレースメント水準を下方突破して、下落トレンドチャネルの下限を試した。20期間移動平均が200期間移動平均を下回る弱気なクロスによっても裏付けられているとおり、今後、価格は戻し、下落トレンドチャネルに回帰し、下落トレンドが続くと予想される。長期的(日足チャート)には、ヘッド&ショルダーズ・パターンを形成しつつあり、これは、同ペアが95領域を下方突破すれば確認されるだろう。
• サポート:サポートは、「ヘッド・アンド・ショルダーズ」フォーメーションのネックラインにあたる95領域に存在し、93.73水準がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンス水準は97.67にあり、100(心理的水準)、100.84、101.52がこれに続くだろう。
GBP/USD
• GBP/USDは、金曜日の取引時間中、木曜日に記録した最近の高値を超えることに失敗した後、下落した。これは、上昇トレンド(青色の上昇トレンドライン)における調整であると考えられ、1.5308領域に向けて推移する可能性がある。現在、同ペアは、20期間移動平均と200期間移動平均の両方を上回っており、強気な兆候を示している。長期的(日足チャート)には、1.4811と1.5597の間の取引レンジ内で横ばい推移となっている。
• サポート:サポート水準は、1.5431、1.5201、1.5102に存在する。
• レジスタンス:同ペアは、1.5528に存在し、1.5674、1.5752がこれに続くだろう。
金
• 金は、金曜日の取引時間中に上昇し、青色の下落トレンドチャネルの上限と1320.78のレジスタンス水準を突破した。20期間移動平均は、200期間移動平均に達しており、強気なクロスが、次の取引時間中に生じる可能性がある。金は、USDとの相関が負であるため上昇しているように見受けられるが、実際のところ、相関は一部で考えられているほど強くはない。たとえば、EUR/USDは、2008年の57%のピークから36%しか下落していない。長期的(日足チャート)には、20日移動平均が引き続き200日移動平均を下回っているため、依然として下落トレンドにあるとみられる。
• サポート:サポート水準は、1320.78(従来のレジスタンス)にあり、1271.88と1245.03がこれに続く。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、1347.27、1376.73、1423.60(6月の高値)に存在する。
原油
• WTIは、金曜日の取引時間中、引き続き上昇し、105.70のレジスタンス水準を上方突破した。同ペアは、102.62と108.96の間の取引レンジ内で推移しており、価格は200移動平均を依然として上回っているものの、これらのうちいずれかを突破すれば、次の取引の方向性に関して明らかな示唆が得られるだろう。
• サポート:サポート水準は、102.62に存在し、100.80と97.85がこれに続く。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、107.53と最近の高値である108.85に存在する。次のレジスタンス水準は、週足チャート上の114.43に認められる。
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