上院での合意に向けた進展:
米国の上院議会は、月曜日の夜、債務上限を引き上げ、政府の閉鎖を終了させるべく、超党派的な協定の締結に近付いた。報道によると、この計画は、2月7日までに債務上限を引き上げ、1月15日までに政府に資金を提供し、遅くとも12月13日までに、課税と支出の長期計画に関する公式な議論を終決させると報じられている。しかし、下院の大半の保守的な共和党員が、この議案に賛成しようとしなかったことは、既に明らかであった。彼らの対立を考えれば、これまでのところ、彼らは、共和党の過半数の賛成を得られない議案は提示しないと公約しているため、下院の指導者は、この議案を投票にかけることさえしない可能性がある。この議案を提示し、民主党の支持によってそれが通過すれば、米国の政治において、共和党を分裂させる決定的契機となる可能性がある。
為替市場の反応は、皆が予想していた通りであった。安全資産通貨であるJPY、CHFは対USDで弱含み、高ベータ通貨、なかでもAUDと、それに次ぐNZD、NOK、CADは上昇した。EUR、GBP、SEKはほぼ横ばいとなった。金と銀は、昨日の午前中のこの時間よりも若干上昇したが、協定が締結されるかどうか疑わしくなった時点で達成されていた欧州の遅い時間の高値をかなり下回った。上院は、進展を見せつつあるが、この計画が反抗的な上院を通過する保証は全くないため、「リスクオン」取引は依然としてリスキーである。おそらくこうした認識から、昨日のコロンブス・デーの休日の後、今朝、米国債の利回りは変わらずから高めで始まった。言い換えれば、合意によって最も影響を受けるであろう市場は、まだ祝杯を挙げる状況にはないということである。
これは、おそらく、たとえこの議案が通過したとしても、市場は、単に来年1月/2月に閉鎖を繰り返した場合に備え始めるに過ぎない。私の見解では、米国債市場は、リスク・プレミアムを維持する可能性が高く、したがって、それまでUSDには引き続き暗雲が垂れ込める一方、安全資産通貨は、そうならなかった場合に比べて、引き続き強含むとみられる。
欧州における焦点は、10月のZEW景況指数であろう。現況指数は、9月の30.6から31.3に上昇すると予想されるが、予想指数は49.6で変わらずと予想される。先月、ZEW指数は予想よりも良かったが、EUR/USDへの影響は長続きしなかった。英国では、9月のCPIとPPIの発表が予定されている。CPIは、前月比ベースで若干低下すると予想され(前月比0.4%から前月比0.3%へ)、その結果、前年比は2.7%から2.6%に若干低下するだろう。この水準でも、イングランド銀行の2%目標をかなり上回っているが、方向性は確かに正しい。生産者物価指数(PPI)は、8月の上昇幅と同じ、前月比0.1%の小幅な上昇が予想される。米国では、10月のニューヨーク州製造業指数が、6.29から7.00へと若干の上昇を示すと予想されるが、当分の間、米国の指標に関心を払う者がいるかどうかは不明である。発言者に関しては、EU経済・財務相理事会がルクセンブルクで開催される。イングランド銀行のウィール氏が、英国議会財務委員会で発言し、ECBのプラート氏がミュンヘンで発言する。最後に、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が、メキシコで開催されるメキシコ銀行会議で発言し、FRBのバーナンキ議長が、同会議においてビデオで発言する。
マーケット
EUR/USD
• EUR/USDは、昨日の欧州時間に、短期的な紫色のチャネルの上限をどうにか上方突破したが、ニューヨークの取引が始まると下がり始め、現在は、同水準をサポートとして試しつつある。同水準で反発すれば、おそらく1.3644(R2)の短期的な高値に向けた動きに発展するだろう。しかし、我々のオシレーターは依然として、トレンドラインを下回っており、RSIがトレンドラインを試しており、低下しつつある。反発があるとすれば、オシレーターもトレンドラインを上方突破するとみられ、上方へのトレンドが確認されることになるだろう。そうした裏付けがなければ、我々は、方向性に関して、引き続きニュートラルとする。
• サポート:1.3461 (S1), 1.3400 (S2), 1.3324 (S3)
• レジスタンス:1.3564 (R1), 1.3644 (R2), 1.3706 (R3)
EUR/JPY
• EUR/JPYは、月曜日、133.21(S1)水準でサポートを見出した後に上昇した。欧州の早朝、同ペアは、バリアーと134.00(R1)の重要なレジスタンスの間で推移している。ロング派が勢いを維持し、どうにかこの水準を突破することができれば、最近の高値である134.94(R2)に向けた強気なイクステンションが生じる可能性がある。現在の価格は、両移動平均を上回っており、価格動向の強気な流れを裏付けている。
• サポート:133.21 (S1), 132.16 (S2), 131.45 (S3)
• レジスタンス: 134.00 (R1), 134.94 (R2), 135.63 (R3)
GBP/USD
• GBP/USDは、引き続き1.6000(R1)の心理的バリアーでの攻防となった。従来のコメントで我々が述べていた1.6000水準をわずかに下回る攻防が続いているようだ。私の見解では、弱気筋がどうにかこの重要な水準の突破に抵抗することができれば、価格は引き続きチャネルに向かって低下する可能性が高く、より低い高値とより低い安値を更新するだろう。1.5890(S1)のサポート水準を下回れば、これは、下方へのフェイラー・スウィングの完成を示唆するため、状況は明らかとなるだろう。MACDとRSIのいずれもが、ニュートラル水準に近く、投資家の間で意見が分かれていることを裏付けている。
• サポート:1.5890 (S1), 1.5716 (S2), 1.5561 (S3)
• レジスタンス:1.6000(R1), 1.6162 (R2) and 1.6260 (R3)
金
• 金は上昇し、1291(R2)のレジスタンスに達し、予想された調整を裏付けた。金は、このバリアーに達した後、下落し、現在は、1277(R1)をわずかに下回る水準で取り引きされている。さらに後者を上方突破すれば、次のレジスタンス水準に向けた調整が続くとみられ、青色の下落トレンドライン近くの水準となるだろう。しかし、金は依然として青色の下落トレンドラインを下回っており、50期間移動平均が200期間移動平均を下回っていることから、下落傾向が依然として有効であることが伺える。
• サポート:1261 (S1), 1242(S2), 1221 (S3)
• レジスタンス:1277 (R1), 1291 (R2), 1316 (R3)
原油
• WTIは、何度も101.02(S1)のフロアーを試した後、上昇した。現在、価格は、青色のトレンドラインと102.57(R1)のレジスタンス水準を若干下回る水準で推移している。WTIをこの水準を下回る水準に持ち込めるかどうかという弱気筋の能力に対する私の懸念が、再び裏付けられた。しかし、オシレーターは依然として、青色のレジスタンスラインを下回っており、移動平均の弱気なクロスを伴っていることから、今のところ下方へのバイアスを保っている。
• サポート:101.02 (S1), 99.26 (S2), 97.36 (S3)
• レジスタンス:102.57 (R1), 104.19 (R2), 106.06 (R3)
通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者
マーケット概要