中国の短期金融市場レートは、水曜日、中華人民銀行が2日目の資金投入に失敗したことを受け、急激に上昇した。規制当局は、インフレリスクに取り組むための方策を検討している。この動きによって、中国の活動が鈍化するリスクが浮上し、これはおそらくAUDとコモディティーにとってマイナス材料となるだろう。しかし、AUDは、1日の下げ幅としては2ヵ月間で最大の下げ幅から回復した。CHFは、水曜日、中国の金融政策に対する懸念と銅の2%超の下落を受けて上昇した。
EURはほぼ変わらずとなり、欧州の金融業界に対する懸念は、EURの抱え込みであると考えられる。欧州中央銀行は、水曜日、11月に、主要なユーロ圏の銀行に対し、同業界の信頼感を構築するために、ストレス・テストを開始することを表明した。カナダ銀行は政策を変更し、18か月間にわたる最終的な利上げの警告を断念した。この声明の後、CADは、対USDで1週間ぶりの安値にまで低下した。米国の原油価格は、水曜日の3ヵ月半ぶりの安値から、1バレルあたり約97ドルにまで上昇し、金は、投資家が利益確定のための売りを行ったため、若干低下した。
本日の指標としては、中国、フランス、ドイツ、ユーロ圏全体の10月の製造業およびサービス業PMI速報値が発表される。中国は、昨晩、既に結果を発表しており、50.4の予想を上回る50.9にまで上昇した。欧州の製造業PMI景況指数は、すべて改善すると予想されており、50を上回って、ユーロ圏の景気が引き続き拡大していることを示すとみられている。これはEURにとってプラス材料となる可能性がある。ニューヨーク市場の開場の1時間半後、米国は、8月の貿易収支を発表する。赤字幅は、7月の391億ドルから395億ドルにまで拡大すると予想される。これと同時に、週1の10月19日の失業保険申請件数が発表される予定で、35万8千件から34万件にまで減少すると予想されている。このほかの地域では、ノルウェー銀行とスウェーデン国立銀行が、政策金利を発表する。いずれも金利は据え置かれると予想されているため、焦点は、その後の、総裁の記者会見となるだろう。オーバーナイトでは、日本が9月の全国CPIと10月の東京都CPIを公表する予定である。いずれのデータも、多かれ少なかれ変わらずと予想されている。最後のイングランド銀行のカーニー総裁が、注目されているイベント、フィナンシャルタイムスの125周年記念で講演する。彼は、講演後に記者会見を行うだろう。
マーケット
EUR/USD
• EUR/USDは、若干低下し、1.3750(S1)のサポートで反発した後、再び重要な天井である1.3800(R1)を試すべく上昇に転じた。このハードルを明らかに突破すれば、次のレジスタンスである1.3857(R2)に向けたイクステンションのきっかけとなる可能性がある。私の見解では、RSIが今にも買われ過ぎの領域を脱しようとしており、MACDがトリガーラインを下回ったばかりであることから、強気筋が再び優勢となる前に戻しを経験する可能性がある。しかし、前回の安値が維持される限り(短期の紫色の旗)、バイアスは引き続き上昇方向である。同レートの明るい側面は、50期間移動平均が依然として200期間移動平均を上回っており、上昇を支持していることからも裏付けられている。
• サポート:1.3750 (S1), 1.3706 (S2), 1.3644 (S3)
• レジスタンス:1.3800 (R1), 1.3857 (R2), 1.3958(R3)
USD/JPY
• USD/JPYは、前回の下落の動きの61.8%フィボナッチ・リトレースメント水準を付けた後、下落バイアスに転じた。欧州時間の早朝、同ペアは、97.49(R1)のレジスタンスを下回って推移しており、通常の環境下では、弱気筋が、この攻防を下方に押し下げると予想される。しかし、彼らは、さらなるイクステンションへの道を開く前に、まず97.00(S1)のフロアーに対処する必要があるだろう。いずれのモメンタム分析も、下落の道を示しており、同レートの下落動向を裏付けている。
• サポート:97.00 (S1), 96.55 (S2), 95.94 (S3)
• レジスタンス:97.49 (R1), 98.09 (R2), 98.57 (R3)
EUR/GBP
• EUR/GBPは大幅に上昇し、シメトリカル・トライアングルの上限と、前回の下落トレンドの38.2%フィボナッチ・リトレースメント水準を突破した。現在、同ペアは、インバース・ヘッド・アンド・ショルダー・フォーメイション(水色の線)とみられるかたちのネックラインを下回っており、これを明らかに突破すれば、前回の下落トレンドの61.8%フィボナッチ・イクステンションと一致する0.8600(R2)水準に向けた攻防へと向かう可能性がある。短期分析は、今のところ下落の波を支持しているが、従来の安値が維持される限り、予想は引き続き強気である。
• サポート:0.8498 (S1), 0.8428 (S2), 0.8388 (S3)
• レジスタンス:0.8549 (R1), 0.8600 (R2) and 0.8652 (R3)
金
• 金は、前回の下落トレンドの50%フィボナッチ・リトレースメント水準でレジスタンスを見出した後に低下した。本原稿執筆現在、金は、まさに反転しようとしているようで、この水準を再び試そうとしているように見受けられる。このバリアーを明らかに上方突破すれば、1364(R2)にある61.8%フィボナッチ・リトレースメント水準に向けた攻防となるだろう。価格は、両移動平均を上回って推移しており、より高い高値とより高い安値を形成しつつあり、さらなる上昇の動きを支持している。
• サポート:1322 (S1), 1305 (S2), 1287 (S3)
• レジスタンス:1343 (R1), 1364 (R2), 1391 (R3)
原油
• WTIは、97.00(S1)水準とチャネルの下限近くでサポートを見出した後、若干上昇した。チャネル内での上昇の波は、懸念材料とはならないだろう。来るべき上昇の動きは、RSIがまさに売られ過ぎの領域を脱したばかりであり、MACD指標が、トリガーラインをまさに上方にクロスしようとしていることから、我々の短期分析によって支持されている。しかし、WTIが、チャネル内で推移しており、両移動平均を下回っていることから、全体的な下落トレンドは引き続き有効である。
• サポート: 97.00 (S1), 95.17 (S2), 93.13 (S3)
• レジスタンス:99.32 (R1), 101.02 (R2), 103.05 (R3)
通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者
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