THE BIG PICTURE
EUR/USD
- FRBの次期議長であるイエレン氏の所信表明によって、米国の中央銀行は、刺激策の縮小を近いうちに実施する可能性は低いと示唆されたにも拘わらず、USDは昨日広く支持された。EURは対USDで1週間ぶりの高値を付け、EUR圏における9月の鉱工業生産が予想よりも大幅に落ち込んだにも拘わらず、1週間前に被った損失の大半を相殺した。イタリアの借入コストは、水曜日に行われた3年物政府債の入札において、2010年3月以来の最低水準にまで低下した。JPYは、第3四半期のGDPデータが、日本の成長率が鈍化しており、積極的な金融緩和が続くことを示唆したため、対USDで弱含んだ。水曜日、GBPは、9月の失業率が8月の7.7％から7.6％へとわずかに低下したことを受けて、対USDで強含んだ。アナリストは、失業率は変わらないと予想していた。
- イエレン氏のハト派的な所信表明を受けて、金はアジア取引において小幅なラリーを演じた。原油価格は、米国の強気な供給レポートに対する期待感から上昇した。
- 本日はGDPの日である。フランス、ドイツ、イタリア、全ユーロ圏が、第3四半期の速報値を発表する。フランスの数値は、第2四半期の+0.5％に対し、第3四半期には前四半期比0.0％になると予想されており、ドイツの数値については、第2四半期の前四半期比0.7％から前四半期比0.3％へ鈍化したと予想されている。イタリアの数値は、第2四半期の前四半期比-0.3％から改善して、前四半期比0.1％の低下を示すと予想されている。全ユーロ圏のGDPは、第2四半期の前四半期比+0.3％から鈍化して、前四半期比0.1％の上昇を示すと予想される。英国では、自動車を除く小売売上高が、9月の前月比0.7％増から前月比0.1％減に転じると予想されている。しかし、これによって前年比は2.8％から3.1％へと上昇することになるだろう。スウェーデンの10月の失業率は、7.5％から7.4％へと低下した。火曜日のCPIの数値が芳しくなかった後だけに、これはクローネにとって安心材料となる可能性がある。米国では、週1の失業保険申請件数が、33万6千人から33万人へと低下すると予想され、同国の9月の貿易赤字は、8月の388億ドルに対して、390億ドルと、比較的安定的に推移したとみられている。その他の地域では、カナダが、カナダ経済と中央銀行取引に関する四半期に一度のレビューを発表する。本日の発言者に関しては、ジャネット・イエレン氏が、彼女の任命に関する上院銀行委員会の前に、証言を行う。イングランド銀行のアンドリュー・グレイシー氏はロンドンで、デビッド・マイルズ氏はダラス連銀で発言する。FRBのチャールズ・プロッサー氏は金融政策に関して発言し、ECBのリーカネン氏は金融安定化と金融機関の回復力に関して発言する。
EUR/USD
- EUR/USDは、若干上昇し、1.3467水準（昨日のレジスタンス）を突破した。本原稿執筆現在、同ペアは、バリアー近くで取り引きされており、強気筋がどうにかこの水準を上回ることができれば、1.3545（R1）水準に向けたイクステンションのきっかけになるとみられ、前回の長期的上昇トレンドラインの領域の近くを再び試すことになるだろう。MACDがゼロラインを上方にクロスしており、RSIは引き続き上昇を示しているため、両モメンタム分析は、さらに上昇することを示唆している。
- サポート: 1.3467 (S1), 1.3389 (S2), 1.3321 (S3)
- レジスタンス: 1.3545 (R1), 1.3644 (R2), 1.3782 (R3)
- USD/JPYは、引き続き戻し、99.08（S1）水準からの回復の後、上昇して、再び99.65（R1）のレジスタンスに達した。今回は、ロング派がどうにかこのハードルを乗り越え、重要なバリアーである100.00（R2）を目指すだろう。日足チャートでは、レートは、シメトリカル・トライアングル・フォーメイションの上限を上回って推移しており、向こう数週間でより上昇することを示している。
- サポート: 99.08 (S1), 98.00 (S2), 97.50 (S3)
- レジスタンス: 99.65 (R1), 100.00 (R2), 100.60 (R3)
- EUR/GBPは、英国の失業率とイングランド銀行による四半期ごとのインフレ率が発表された後、昨日急激に低下した。この動きは、右肩上がりのチャネルの下限をわずかに上回る0.8399（S1）のサポートによって歯止めが掛かった。レートが、より高い高値とより高い安値を記録しつつあることから、バイアスは依然として上昇方向である。当社の分析は、チャネルの下限を突破すれば再検討されるだろう。両モメンタム分析は、中立的水準近くで推移しており、次の方向性のある動きに関して何も手がかりは得られない。
- サポート: 0.8399 (S1), 0.8339 (S2), 0.8301 (S3)
- レジスタンス: 0.8451 (R1), 0.8476 (R2), 0.8512 (R3)
- 金は、昨日、上昇し、上方への調整の波に対する我々の予想を裏付けた。金は現在、1290（R1）のレジスタンス水準を下回って推移しており、下落トレンドチャネルの上限に達する可能性がある。しかし、金の短期的トレンドは、紫色のチャネルと移動平均の弱気なクロスによって示されている通り、引き続き下落トレンドにある。
- サポート: 1269 (S1), 1251 (S2), 1221 (S3)
- レジスタンス: 1290 (R1), 1305 (R2), 1320 (R3)
- WTIは若干上昇し、93.14（S1）のサポートバリアーを突破することにまたもや失敗した。弱気筋は、この2日間で2回、この水準まで価格を押し下げようとしたが失敗に終わった。この失敗は、当社のモメンタム指標と価格動向の間にプラスの差があることを裏付けている。とはいうものの、WTIは、青色の右肩下がりのチャネルと、50期間移動平均が200期間移動平均を依然として下回っているという事実によって示されている通り、引き続き下落トレンドにある。
- サポート: 93.14 (S1), 91.22 (S2), 89.32 (S3)
- レジスタンス: 95.36 (R1), 98.81 (R2), 101.00 (R3)