THE BIG PICTURE
EUR/USD
- ジャネット・イエレン氏のハト派的な発言が、米国の中央銀行の刺激策を擁護し、リスク選好に拍車を掛け、ウォールストリートは、木曜日、記録的高水準に達した。米国の9月の貿易赤字は、8月の387億ドルから418億ドルに拡大した。USDはその他通貨に対してまちまちな動きとなった。EURは、ユーロ圏のGDPが芳しくなかったことから、対USDで下落した。データは、第3四半期の成長率がわずか0.1%に留まったことを示した。財務相は、未だに困難を抱える銀行への取り組みに対する計画の骨子を策定するため、ブリュッセルで2日目の会合を持つ。GBPは、英国の小売売上高が木曜日に期待外れの結果となったことを受けて、圧力に晒された。10月の小売売上高は、0.1%の伸びを示すとの予想に対し、0.7%の低下となった。株価の高騰がJPYに打撃を与え、対USDで2ヵ月ぶりの安値、対EURで2週間ぶりの安値、対GBPで4年ぶりの安値を付けた。JPYは、麻生財務相が政策手段として、為替介入を保持すると発言したことを受けて、さらに弱含んだ。カナダの9月の貿易赤字は、8月の10億9千万カナダドルに対し、4億4千万カナダドルへと予想以上に縮小した。このデータの発表後も、CADは依然として対USDで低下した。
- コモディティー市場は、ブレント原油が、リビアでの原油供給に対する懸念から、3日連続で上昇した。金の価格は、金曜日、投資家が、米国で金融緩和政策が持続するとの期待感から、オーバーナイトでの急騰に対する利食い売りにより、アジアで若干低下した。
- 本日は、水曜日と木曜日に比べ静かな一日となる。ユーロ圏の10月のCPI確報値は、速報値と同じ前年比0.7%の上昇を示すと予想されている。米国では、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数が1.52から5.00へ上昇すると予想され、10月の鉱工業生産指数は、9月の0.6%から鈍化して、前月比ベースで0.2%の上昇を示すと予想される。本日の発言者は、ECBからの2名のみである。ECBのリーカネン氏は金融政策について発言し、ECBのメルシュ氏はCFA欧州機関投資会議の6周年で発言する。
EUR/USD
- EUR/USDは昨日横ばいとなり、1.3467(R1)水準近くに留まった。本原稿執筆現在、同ペアは、この水準をわずかに下回るところで推移している。水色のサポートラインを下方に突破すれば、次のサポート領域に向けたイクステンションが生じる可能性がある。MACDは、トリガーを下方にクロスしようとしているようである上、RSIが下方に傾いている点が、同レートは、1.3467(R1)を超えるには弱いことを裏付けている。
- サポート: 1.3389 (S1), 1.3321 (S2), 1.3257 (S3)
- レジスタンス: 1.3467 (R1), 1.3545 (R2), 1.3644 (R3)
- USD/JPYはわずかに上昇し、2つのレジスタンス・バリアーを続けて突破した。欧州時間の早朝、同ペアは、100.00(S1)の重要な水準と、100.60(R1)のレジスタンスの間で取り引きされている。強気筋が、この攻防を上に引き上げ、100.60(R1)のバリアーを試すと予想されるが、私の唯一の懸念は、RSIが買われ過ぎの状況を示唆していることである。私の見解では、上昇が再開される前に、ある程度の保ち合いか、短期的な調整の波が訪れる可能性がある。日足チャートでは、レートは、シメトリカル・トライアングル・フォーメイションの上限を上回って推移しており、同ペアが向こう数週間は強含むことを示唆している。
- サポート: 100.00(S1), 99.65 (S2), 99.08 (S3)
- レジスタンス: 100.60 (R1), 101.44 (R2), 102.40 (R3)
- GBP/USDは、昨日、上昇したが、この動きは、1.6110(R1)のレジスタンス・バリアーをわずかに下回るところで歯止めが掛かった。もし価格がこの障害を上方突破すれば、次のレジスタンスは、1.6260(R2)の天井で見出される。しかし、レートは、より低い高値とより低い安値を記録しつつあるため、トレンドは、下落トレンドにあるように見受けられる。モメンタム分析は、まちまちな示唆を提示しているため、今は頼りにならない。
- サポート: 1.6000 (S1), 1.5890 (S2), 1.5772 (S3)
- レジスタンス: 1.6110 (R1), 1.6260 (R2), 1.6375 (R3)
- 金は上昇の波を続け、本原稿執筆現在、1290(R1)のレジスタンス水準を試しつつある。この水準を明らかに突破し、チャネルの上限を突破すれば、さらなる上昇の最初の警告となる可能性がある。しかし、金の短期的トレンドは、紫色のチャネルと移動平均の弱気なクロスによって示されている通り、依然として下落トレンドにある。
- サポート: 1269 (S1), 1251 (S2), 1221 (S3)
- レジスタンス: 1290 (R1), 1305 (R2), 1320 (R3)
- WTIは、93.14(S1)のバリアーをもう一度試した後、若干上昇した。弱気筋がこのハードルを超えることができないということは、我々のモメンタム指標と価格動向との間のプラスの差を裏付けている。とはいうものの、WTIは、青色の右肩下がりのチャネルと50期間移動平均が200期間移動平均を引き続き下回っているということによって示されている通り、依然として下落トレンドにある。
- サポート: 93.14 (S1), 91.22 (S2), 89.32 (S3)
- レジスタンス: 95.36 (R1), 98.81 (R2), 101.00 (R3)