THE BIG PICTURE
EUR/USD
- FRBの緩和政策の継続の必要性を強調したFRB議長に指名されたジャネット・イエレン氏の主張を、金曜日の軟調な米国のデータが裏付けたため、USDは、月曜日の朝、G10各国通貨に対しても、新興市場通貨に対しても幅広く下落した。11月のニューヨーク連銀製造業景況指数は、+1.52から-2.21にまで落ち込み、+5.0の上昇という市場の期待を裏切る結果となった。また、10月の米国の鉱工業生産指数は、市場が予想していたような小幅な上昇ではなく、小幅な低下となった。IPに関しては、製造業生産高の増加にも拘わらず、設備稼働率が低下していることから、FRBは、インフレターゲットを上回る可能性はなく、より長い期間金利を低く抑える可能性がわずかにあるとの認識を強くする可能性がある。その結果、予想FFレートは低下し続け、USDはさらに下落した。
- USDに対する主なサポート材料は、別の地域の金融政策に対する予想の変化である。ECBは確実に緩和スタンスを拡大し、最近予想外の利下げを実施した。また、市場は、日本の成長率が鈍化するにつれ、日銀がある時点で一段の金融緩和に踏み切ると予想している。これとは対照的に、先週イングランド銀行は成長率を上方修正した上、重要なことに、雇用予想も上方修正したことを受け、GBPは大きく支持される可能性が高い。
- 本日の経済カレンダーは、かなり閑散としている。EUでは、9月の貿易収支と経常収支が発表される。貿易黒字は、10月の123億ユーロ(半年ベース)から130億ユーロにまで拡大すると予想される。経常収支に対する予想は提示されていない。この指標は、特に市場に影響を与えるものではないが、実際のところ、同地域の大幅な経常黒字(現在、平均で1ヵ月158億ユーロ)が、おそらくEUR/USDが今年かなり堅調に推移してきた主な理由であろう。米国では、11月の全米住宅建築協会市場指数が、55で変わらずと予想されている。9月の米国への資本流入に関する対米証券投資も、発表される予定である。
- 今週全体としての焦点は、水曜日になる可能性が高く、直近のFOMC会議とイングランド銀行会議の議事録の発表と、FRBのバーナンキ議長の発言であろう。木曜日も、日銀の政策決定会合と、中国、ユーロ圏、ドイツ、フランス、米国の11月の購買担当者指数速報値の発表が予定されているため、忙しい日となるだろう。ZEW指数とIfo指数に加え、ユーロ圏のGDP値に対する修正とより詳細な数値の発表が、今週、EURに対する見方に影響を与える可能性がある。また、米国のデータで注目されるのは、小売売上高と消費者物価、JOLTS労働市場調査、中古住宅販売であろう。
EUR/USD
- EUR/USDは、金曜日、上昇して、前回の長期的上昇トレンドラインに近い1.3500(R1)水準に達した。現在、同ペアは、この領域でレジスタンスを見出しつつある。弱気筋が、価格を1.3500(R1)を下回る水準で維持することができれば、彼らの動きを拡大し、水色のサポートラインを突破する可能性がある。一方、強気筋が、この重要な水準の上方突破に成功すれば、この攻防は次のレジスタンスである1.3600(R2)に向けて動き出す可能性がある。
- サポート: 1.3389 (S1), 1.3321 (S2), 1.3257 (S3)
- レジスタンス: 1.3500 (R1), 1.3600 (R2), 1.3700 (R3).
- USD/JPYは横ばい推移となり、重要な100.00(S1)水準と100.60(R1)のレジスタンスの間にとどまった。上昇トレンドが優勢となる前に、私は、価格がいったん下落すると予想する。RSIは、買われ過ぎの領域を脱し、MACDは、プラスの領域ながら、トリガーを下方にクロスし、そうした戻しを支持している。日足チャートでは、レートが、シメトリカル・トライアングル・フォーメイションの上限を上回って推移しており、向こう数週間で同ペアが上昇することを示唆している。
- サポート: 100.00(S1), 99.65 (S2), 99.08 (S3)
- レジスタンス: 100.60 (R1), 101.44 (R2), 102.40 (R3)
- GBP/USDは上昇し、紫色のチャネルの上限を上方突破し、1.6110のバリアー(金曜日のレジスタンス)を突破した。買い圧力が価格を押し上げ続ければ、ロング派は1.6260(R1)の天井でレジスタンスを見出すと予想される。MACDオシレーターは、強気な領域でトリガーラインを上回っており、さらなる上昇の可能性が高まっている。
- サポート: 1.6110 (S1), 1.6000 (S2), 1.5890 (S3)
- レジスタンス: 1.6260 (R1), 1.6375 (R2), 1.6442 (R3)
- 金は横ばい推移となり、1290(R1)のバリアーを引き続き下回り、右肩下がりのチャネルの上限に達した。この領域を決定的に上方突破すれば、さらなる上昇の最初の警告となるだろう。しかし、金の短期的なトレンドは、紫色のチャネルと移動平均の弱気なクロスによって示されている通り、依然として下落トレンドである。両モメンタム分析は、中立的水準に近く、金の横ばい推移を裏付けている。
- サポート: 1269 (S1), 1251 (S2), 1221 (S3)
- レジスタンス: 1290 (R1), 1305 (R2), 1320 (R3)
- WTIは引き続き93.14(S1)のサポート水準を上回って推移しており、下落トレンドの継続を予想する前に、このフロアーを下方突破するのを待つべきだろう。弱気筋がこのハードルを超えることができないことが、当社のモメンタム指標と価格動向との間のプラスの差を裏付けている。しかし、WTIは、青色の右肩下がりのチャネルと、50期間移動平均が依然として200期間移動平均を下回っている点によって示されている通り、依然として下落トレンドである。
- サポート: 93.14 (S1), 91.22 (S2), 89.32 (S3)
- レジスタンス: 95.36 (R1), 98.81 (R2), 101.00 (R3)