THE BIG PICTURE
EUR/USD
- 昨晩、USDは、安定の兆候を示した。USDは、G10各国通貨のうちの4通貨(NZD、NOK、GBP、AUD)に対して強含む一方、4通貨(SEK、JPY、CHF、EUR)に対しては下落し、対CADでは変わらずとなった。その分布は注目に値する。コモディティー通貨は全般的に低下し、安全資産通貨は上昇した。原油、銅、貴金属がすべて下落するなど、コモディティーそのものも全般的に下落した。このような結果となったものの、ウォール街がほとんど変わらずに終了し、アジア株がまちまちな結果となったことから、リスクテイキングのセンチメントが決して消え去ったわけではないことが伺える。
- 11月の全米住宅建築協会指数は、54で変わらずとなり、夏に始まった住宅市場の鈍化が続いていることを示唆した。このことは、FRBの懸念材料となる可能性がある。しかし、同調査は、政府閉鎖に対する懸念が高いときに実施されたため、その後、ある程度の反動が生じている可能性がある。現在、我々は、遅れている9月および10月の住宅着工および許可件数のデータを待っており、それは11月26日に発表される予定である。
- ニューヨーク連銀総裁のダドリー氏は、昨日の彼の発言の中で、成長に関して「期待が高まっている」と述べたことから、昨日、長期物のインプライドレートの低下がわずか0.5bpにとどまるなど、FF予想金利の低下は鈍化した。このことから、FRB議長に就任するジャネット・イエレン氏による「より長い期間より低く」との論調への調整が数日間続いた後だけに、市場は、均衡点に達し始めていると考えられる。このため、USDは、向こう数日間で回復する可能性があると考えられる。
- オーストラリア準備銀行(RBA)は、11月5日の会議の議事録を発表した。政策立案者は、利下げが功を奏していることを示す「証拠は山積」しているとの考えを示したが、同行は、必要があればさらに緩和する権限を留保した。彼らのスタンスに変わりはなく、依然として緩和バイアスにあるという点が、AUDが圧力に晒されている理由のひとつかもしれない。
- 本日発表される唯一の主な指標は、11月のZEW指数である。現況指数および予想指数のいずれもが、上昇を示すと予想される。これにより、EUR/USDは緩やかに押し上げられる可能性がある。
EUR/USD
- 昨日、EUR/USDはわずかに上昇し、1.3500のバリアーを超えた。レートは現在、前回の長期的トレンドラインを試しつつある。この水準を明らかに上方突破すれば、上昇の継続の兆候となるだろう。レートが、水色のサポートラインを辿っていることから、バイアスは依然として上方向にある。この水準を下回れば、それは我々の分析を見直す根拠となるだろう。両モメンタム分析は上方向を示しており、今のところ弱含みの兆候は見当たらない。
- サポート: 1.3500 (S1), 1.3389 (S2), 1.3321 (S3)
- レジスタンス: 1.3600 (R1), 1.3700 (R2), 1.3782 (R3).
- USD/JPYは下落し、99.55(S1)でサポートを見出した後、若干上昇した。買い圧力が引き続き同ペアを上昇させれば、100.43(R1)のレジスタンス・バリアーを試すだろう。レートは、より高い高値とより高い安値を記録しつつあり、両移動平均を上回っていることから、短期的な上昇トレンドは引き続き有効である。日足チャートでは、レートは、シメトリカル・トライアングル・フォーメイションの上限を上回って推移しており、向こう数週間で同ペアが強含むことを示唆している。
- サポート: 99.55 (S1), 99.08 (S2), 97.95 (S3).
- レジスタンス: 100.43 (R1), 101.44 (R2), 102.40 (R3).
- GBP/USDは、1.6147(R1)水準に達した後、若干低下した。ロング派が最近のモメンタムを維持し、レートをこの水準を上回るところに持っていくことができれば、1.6260(R2)にある次のレジスタンスを目指す可能性がある。しかし、RSIは、70水準でレジスタンスを見出しており、MACDは強気な領域にあるものの、シグナルラインを下方にクロスしようとしていることから、上昇の動きが再開される前にさらなる保ち合いが生じる可能性は無視できない。
- サポート: 1.6000 (S1), 1.5890 (S2), 1.5772 (S3)
- レジスタンス: 1.6147 (R1), 1.6260 (R2), 1.6375 (R3)
- 金は、1290(R1)のレジスタンス水準と右肩下がりのチャネルの上限を記録した後、下落した。現在、価格は、1269(S1)のサポート・バリアーを若干上回るところで推移しており、これを決定的に下回れば、より長い期間の弱気な兆候を示すことになり、1251(S2)にある次の障害を目指すだろう。MACDは、ゼロ水準もトリガーラインも下回っており、さらなる下落を示唆している。金がチャネル内で推移しており、両移動平均を下回っていることから、短期的トレンドは依然として下落トレンドにある。
- サポート: 1269 (S1), 1251 (S2), 1221 (S3)
- レジスタンス: 1290 (R1), 1305 (R2), 1320 (R3)
- WTIは低下し、93.14水準(昨日のサポート)を下方突破した。欧州取引時間の早朝、価格はこのバリアーを若干下回っている。弱気筋が、91.22(S1)のサポートを目指すと予想される。RSIは、青色のサポートラインを突破し、MACDはトリガーを下回り、マイナスの領域にあることから、WTIの弱気なモメンタムが伺える。青色の右肩下がりのチャネルと、50期間平均が依然として200期間移動平均を下回っていることによって示唆されている通り、トレンドは依然として下落トレンドにある。
- サポート: 91.22 (S1), 89.32 (S2), 87.62 (S3)
- レジスタンス: 93.14 (R1), 95.36 (R2), 98.81 (R3)