THE BIG PICTURE
EUR/USD
- USDは大半の主な通貨に対してまちまちな動きとなった。米国のデータは好調で、予想外に好調な週1の失業保険申請件数は、先週、失業保険に対する新たな申請件数が急激に減少したことを示した。USDは、フィラデルフィア連銀の地区製造業指数が軟調となったことを受けて、押し下げられた。EURは、中央銀行が積極的に主要金利をゼロ未満にまで切り下げることを検討していたとの報道を、マリオ・ドラギ氏が軽視したことを受けて回復した。ドイツの11月の製造業購買担当者指数の伸びは加速し、別の地域の期待外れの結果、特にフランスの企業活動の低迷を相殺する上で役に立った。JPYは、対EURで4年ぶりの低水準にまで下落した。木曜日、日銀が、超緩和的金融政策を引き続き公約したことを受け、投資家が、JPYを、キャリートレードのための資金調達通貨として利用し続けない理由はほとんど見当たらなかった。オーストラリアの中央銀行のトップが、AUD安に導くために介入を実施する考えを否定しなかったことで、AUDはさらに低下した。
- コモディティー市場では、ブレント原油が、木曜日、1ヵ月超ぶりの高値にまで高騰した。FRBが比較的早期に850億ドルの債券買い入れ制度の縮小を実施すると投資家が予想していることに伴い、金曜日、金の価格はアジアで下落した。
- 欧州における主な項目は、ドイツの11月のIfo景況指数である。企業景況指数は、10月の107.4から107.7へ上昇すると予想される。現況評価指数は、111.3から111.5への上昇が予想され、予想項目も、前回の数値である103.6から104.0へと上昇することが予想される。本日早い時間には、ドイツの第3四半期のGDP確報値が発表される。いつものように、予想は、速報値と変わらない。イタリアの9月の小売売上高は、前月の0.0％に対し、0.1％の上昇を示すと予想される。カナダでは、CPIおよび小売売上高の発表が予定されている。カナダの10月のCPIコア指数は、9月と同ペースの0.2％の上昇が予想される。しかし、これにより、前年比は1.3％から1.2％まで下落するだろう。9月の小売売上高は、前月比で8月の+0.2％から加速して、0.3％の上昇を示すと予想される。一方、自動車を除く小売売上高は、減速を示すと予想される（8月の前月比0.4％に対して、9月は0.2％）。本日は、ECBから5名、FRBから2名の発言が予定されている。ECBのマリオ・ドラギ氏は、欧州銀行会議において発言する。ECBのノイアー氏、プリート氏、ノボトニー氏が、パリで行われるSUERF会議で発言する。一方、ECBのバイドマン氏は、パネルディスカッションで発言する。カンザス連銀総裁のエスサー・ジョージ氏は、銀行監督について発言し、FRBのダニエル・タルーロ総裁は、シャドーバンキングについて発言する。
EUR/USD
- EUR/USDは昨日上昇し、欧州の早朝は、1.3414（S1）のサポート水準と1.3500（R1）のレジスタンス水準の間で推移している。しかし、前回の高値が保たれる限り、バイアスは引き続き下落サイドにある。弱気筋が勢いを吹き返せば、この攻防を下方に押しやり、1.3414（S1）のバリアーを突破することができれば、1.3321（S2）にある次のサポートに向けたイクステンションが生じると予想される。両モメンタム分析は、中立的水準近くにあり、同ペアの次の方向性のある動きに関して何の手がかりも提示していない。
- サポート: 1.3414 (S1), 1.3321 (S2), 1.3216 (S3)
- レジスタンス: 1.3500 (R1), 1.3578 (R2), 1.3662 (R3)
- USD/JPYは、昨日、引き続き急騰し、100.43のバリアー（昨日のレジスタンス）を突破した。本原稿執筆現在、価格は、101.36（R1）のレジスタンス水準を試しつつある。これを上方突破すれば、102.40（R2）のハードルを目指す可能性がある。レートがより高い高値とより高い安値を記録しつつあり、50期間移動平均が200期間移動平均を上回っているため、短期的トレンドは依然として上昇トレンドにある。しかし、RSIオシレーターは、買われ過ぎの領域にあり、下落を示唆しているため、強気筋が再び隆盛となる前には戻しが発生する可能性がある。
- サポート: 100.43 (S1), 99.55 (S2), 99.08 (S3)
- レジスタンス: 101.36 (R1), 102.40 (R2), 103.50 (R3)
- GBP/USDは、50期間移動平均でサポートを見出した後、大幅に上昇した。同ペアは1.6147水準（昨日のレジスタンス）を突破し、欧州時間早朝には、1.6260（R1）の天井を目指しつつある。レートは、短期的な水色のチャネル内でより高いピークとより高い安値を形成しつつある上、両移動平均を上回っていることから、強気な流れが伺える。
- サポート: 1.6147 (S1), 1.6052 (S2), 1.6000 (S3)
- レジスタンス: 1.6260 (R1), 1.6375 (R2), 1.6442 (R3)
- 金は、保ち合いムードの中で推移し、1251（R1）のレジスタンス・バリアーをわずかに下回ったままである。金は依然として、右肩下がりのチャネル内で推移しており、1211（S1）にある次のハードルに向けたイクステンションが予想される。しかし、RSIは依然として30水準にあるため、さらなる保ち合い、または、上方への調整の波の可能性は無視できない。
- サポート: 1211(S1), 1177 (S2), 1155 (S3)
- レジスタンス: 1251 (R1), 1269 (R2), 1290 (R3)
- WTIは上昇し、95.36（R1）のレジスタンス・バリアーに達した。上昇の動きは、上昇の道を辿り続けている両モメンタム分析によって示された最近の示唆を確認している。しかし、WTIは、青色の右肩下がりのチャネルと、50期間移動平均が引き続き200期間移動平均を下回っていることによって示されている通り、依然として下落トレンドにある。一度でもチャネルから脱すれば、それはトレンドの変化を予測し始める理由となるだろう。
- サポート: 93.14 (S1), 91.22 (S2), 89.32 (S3)
- レジスタンス: 95.36 (R1), 98.81 (R2), 101.00 (R3)