THE BIG PICTURE
EUR/USD
- 今朝、USDはまちまちな動きとなり、対AUD、対JPYでは上昇したが、対GBP、対EUR、対CHF、特に対NOKでは下落し、これらの通貨は昨日からの上昇幅の大半を維持した。予想よりも良かった米国の鉱工業生産指数が、期待外れのニューヨーク連銀製造業指数を凌駕した。IPにおける上昇の大半が、光熱費の大幅な増加によるものであり、単に例年よりも寒冷な天候によるものだが、製造業指数も、前月比0.6%と堅調な伸びを示し、設備稼働率は2008年6月以来の高水準に達した。これは、将来的な資本支出にとって明るい兆しであり、デフレに対する防御にもなる。その上、米国への資本流入に関する米財務省国際資本(TIC)データが、10月は大幅な流入の増加を示し、2008年11月以来の高水準となった。外資による株式購入を含む長期的な流入は回復し始めており、USDの長期見通しにとって良い兆しである。
- 一方、EURは、資産品質審査(AQR)の実施を来年に控え、欧州中央銀行(ECB)への返済を行う銀行によって引き続き支持されている。通常、金融市場が引き締まる年末と重なるため、これらの返済は、EURの短期金利を押し上げ、それがEURを支えている。しかし、この要素は、年末で終了するとみられるが、米国への資金流入は続く可能性が高いとみられる。私が来年はEUR/USDが反転すると予想している理由はこのことである。
- 最近のオーストラリア準備銀行会議の議事録が、政策立案者は必要があれば引き続き一段の利下げの選択肢を保持しており、持続的なAUD安を示唆したことを受けて、対AUDでのUSD上昇が生じている。一方、ニュージーランドでは、増加する財政黒字が、健全な経済の兆候であり、2国間の持続的な格差を示している。私の見方では、AUD/NZDは低下し続ける可能性が高い。
- 本日、11月のCPIとPPIが英国から発表される。CPIは、前年比2.2%で変わらずと予想される。これは、イングランド銀行の2%目標にかなり近いため、GBPにとって痛手となる可能性があるが、その点では、イングランド銀行はインフレ懸念を抱くことなく、安全に、金利をより長い期間低く抑えることができることを示している。また、イングランド銀行のカーニー総裁は、貴族院の経済委員会に証言する。ドイツのZEW指数は、現況および予測のいずれにおいても上昇を示すと予想され、これにより、EUR/USDでは1.3800の突破を再び試みる動きの材料となる可能性がある。米国の11月のCPIは、注目されるだろう。CPI総合指数は前年比1.0%から1.3%に上昇し、コアCPIは、前年比1.7%にとどまると予想される。インフレ率の低下は、量的緩和の縮小の可能性の低下とみなされるだろう。なぜならFRBが量的緩和の縮小に対して3つの基準を設けているからである。それは、雇用、成長、インフレの3つである。雇用と成長は、最近充分に好調だが、インフレ率は彼らの目標を大幅に下回っており、さらなる低下は、待つことを選好する人々の力を強める可能性があるため、これはUSDにとってマイナスだろう。一方、CPIが予想よりも高ければ、量的緩和の縮小が明日始まる可能性がさらに高まるだろう。最後に米国の全米住宅建築協会の12月の住宅市場指数は、1ポイント上昇して55を示すと予想され、USDにとってプラスに働くだろう。昨日の繰り返しとなる可能性があり、欧州の日中はEUR高、米国の日中はUSD高という状況が予想される。
EUR/USD
- 月曜日、EUR/USDはわずかに上昇し、1.3710(S1)のサポートと10月の高値である1.3830(R1)の間に留まった。私は依然として、ロング派が、再び1.3830(R1)のハードルを試そうとする可能性があるとみている。1.3710(S1)のサポートをわずかでも下回れば、弱気なイクステンションを想定する理由となるだろう。同ペアが、より高い高値とより高い安値を同程度に更新し、両移動平均を上回って推移する限り、上昇トレンドは引き続き有効である。
- サポート: 1.3710 (S1), 1.3655 (S2), 1.3600 (S3)
- レジスタンス: 1.3830 (R1), 1.3935 (R2), 1.4200 (R3)
- EUR/JPYは保ち合いモードで推移し、青色のサポートラインに乗った。このサポートラインを下方突破し、140.88(S1)のサポート水準を下回れば、より大きな弱気な兆候となるだろう。一方、上昇トレンドの継続を確認するためには、市場が142.80(R1)の障害を乗り越えるのを目の当りにする必要がある。両モメンタム分析と価格動向の間には、マイナスの差が認められ、トレンドのモメンタムは減速しつつある。同ペアの全体的なトレンドは、青色の上昇トレンドラインと、50期間移動平均が引き続き200期間移動平均を上回っていることによって裏付けられている通り、今のところ上方サイドを示しており、価格の安値を押し上げている。
- サポート: 140.88 (S1), 139.67 (S2), 138.00 (S3)
- レジスタンス: 142.80 (R1), 146.85 (R2), 148.75 (R3)
- GBP/USDは青色の上昇トレンドラインを突破し、MACDと価格動向の間のマイナスの差によって示されている弱含みを裏付けた。現在、同ペアは、紫色の右肩下がりのチャネル内で推移している。弱気筋が、1.6260(S1)の強力なハードルをどうにか超えることができれば、彼らは、1.6140(S2)のサポートと、上昇トレンドの50%フィボナッチ・リトレースメント水準の間の領域を目指すと予想される。レートは、50期間移動平均を下回っているが、200期間移動平均を依然として上回っていることから、最近の低下は、今のところ、前回の上昇トレンドのリトレースメントであるとみられる。
- サポート: 1.6260 (S1), 1.6140 (S2), 1.6087 (S3)
- レジスタンス: 1.6347 (R1), 1.6415 (R2), 1.6464 (R3)
- 金はわずかに上昇し、1224(S1)サポートと1251(R1)のレジスタンスバリアーの間に留まった。金はトレンドのある段階にはなく、横ばいの動きが続いているため、私は今のところ、明確な状況が得られるまでは、中立的にとどまる。1210(S2)にある安値を明らかに突破すれば、最近の上昇が、従来の下落トレンドの38.2%フィボナッチ・リトレースメント水準における単なる調整であったと確認でき、バイアスは再び下落に転じる可能性がある。
- サポート: 1224 (S1), 1210 (S2), 1180 (S3)
- レジスタンス: 1251 (R1), 1267 (R2), 1290 (R3)
- WTIは200期間移動平均近くで反発して上昇し、97.00のバリアーを上方突破した。強気筋が、原油価格を97.00(S1)のサポートを上回る水準で維持することができれば、この攻防は上昇に引きずられ、再び98.81(R1)のレジスタンスを試す可能性がある。このレジスタンス水準を突破すれば、上昇トレンドの継続を示唆する可能性があり、101.10(R2)にある次のハードルに向けた強気なイクステンションのきっかけとなるだろう。50期間移動平均が200期間移動平均を引き続き上回っている限り、また、WTIが紫色の右肩上がりのチャネル内にとどまる限り、私は、バイアスは上方サイドであるとみている。
- サポート: 97.00 (S1), 95.36 (S2), 92.00 (S3)
- レジスタンス: 98.81 (R1), 101.10 (R2), 103.15 (R3)