USDは昨日、全般的に回復し、NOKだけが対USDで若干上昇した。
金曜日のコミットメント・オブ・トレーダーズ(COT)のレポートが、投機的トレーダーが先週、5週間にわたるEURのショートからロングにシフトしたことを示していたことを考えると、センチメントの変化は、特に印象深いものであった。ラリーのきっかけとなるものは特に見当たらない。マーケット・リポートは、本日、7月の小売売上高の発表を控えていることが原因であるとした。総合指数は、6月の前月比+0.4%から前月比+0.3%へと減速が予想されるが、いわゆる「対照群」(ガソリンスタンド、自動車販売業者、建築材料を除く)は、前月比で、前月のわずか+0.1%から+0.4%まで加速すると予想される。この数値は、投資家が、米国経済の健全性を再確認し、FRBが量的緩和の縮小を9月の会議で始める可能性が高いことを確認するのに役立つだろう。また、NFIB小規模企業楽観指数は、93.5から94.5への上昇が予想される。
中国に対するセンチメントの回復が続いていることを考えれば、3つのコモディティー通貨すべてに対してUSDが強含んだことは、特に目を見張るものがあった。金は力強く上昇し、南アフリカ株は、今年の高値を更新し、米国における中国のETFは、3%程度上昇した。しかし、AUDは、対USDにおいて、G10通貨の中で2番目に悪いパフォーマンスを示した(最も悪かったのはJPY)。これらのことから分かるのは、私が考えていたほどUSDに対するセンチメントは崩壊していないということである。USDが、こうした環境で上昇することができるのであれば、まだかなりの需要があるということである。USDに対するロング取引に関して匙を投げるのはまだ早過ぎる。実際、この戻しは、USDの強気筋が市場に回帰する好機かもしれない。
本日発表されるその他の指標は、ドイツのZEW現況指数で、10.6から12.0への上昇が予想され、予想指数は、36.3から39.9へ上昇すると予想される。ドイツの指数における改善は、ユーロ圏経済がボトムアウトしつつあることを裏付ける傾向があり、EUR/USDを取引レンジ内の頂点近くに留まらせるのに役立つ可能性がある。同様に、EUの鉱工業生産指数は、前月比で5月の-0.3%から一転0.9%に上昇すると予想され、前年比は、前月の-1.3%から+0.3%へとついにプラス領域に突入すると予想される。この数値は、ユーロ圏経済がボトムアウトしつつあることを示すZEW指数からのメッセージと相まって、ユーロ圏の第2四半期GDP値が発表される明日に関してより多くの示唆を与えるものである。一方、英国の7月のCPIは前月比で変わらずと予想され、前年比では2.9%から2.8%へと若干低下することが予想される。これにより、GBPは若干弱含む可能性がある。
マーケット
EUR/USD
• EUR/USDは、昨日の取引時間中に低下し、上昇チャネルの下限を下方突破し、現在、心理的水準である1.3300を試している。この水準を明らかに突破すれば、同ペアは次のサポートである1.3231へと向かうだろう。下方突破の事実にも拘わらず、4時間チャートにおける20期間移動平均近くで取り引きされているが、200期間移動平均は依然として上回っており、引き続き強気な領域で取り引きされていることを裏付けている。
• サポート:サポートは、1.3231水準に見出され、1.3175と1.3066がこれに続くだろう。
• レジスタンス:短期的(4時間チャート)に認められる唯一のレジスタンス水準は、最近の高値である1.3416である。次のレジスタンスは、1.3525と1.3075であり、日足チャート上に見出される。
USD/JPY
• USD/JPYは、95.75のサポート水準を二度試した後、昨日の取引時間中上昇した。我々が昨日のコメントで述べたとおり、価格はどうにか戻し、チャネル内へと回帰し、97.67のレジスタンス水準に近付きつつある。当社はこれを短期的に強いテクニカル水準であると見ているため、強気筋は、この水準で大きな障害にぶつかると予想される。長期的には、ヘッド&ショルダーズ・パターン(日足チャート)を形成しつつあり、同ペアが95領域を下方突破すれば、これが確認されるだろう。
• サポート:サポートは、「ヘッド・アンド・ショルダーズ」フォーメーションのネックラインにあたる95領域に存在し、93.73水準がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、97.67に存在し、100(心理的水準)、100.84、101.52がこれに続くだろう。
GBP/USD
• GBP/USDは、昨日の取引時間中下落し、1.5431のサポート水準に近付きつつある。これは、上昇トレンド(青色の上昇トレンド・ラインによって示された)の調整であり、1.5300領域へと向かう可能性があると考えられる。現在、同ペアは、引き続き200期間移動平均を上回っており、強気な兆候を示している。長期的(日足チャート)には、1.4811と1.5597の間の取引レンジ内で横ばい推移となっている。
• サポート:サポート水準は、1.5431、1.5201、1.5102に存在する。
• レジスタンス:レジスタンスは、1.5569に認められ、1.5674と1.5752がこれに続くだろう。
金
• 金は、昨日の取引時間中上昇し、青色の下落トレンドチャネルを引き続き上回っており、現在、1347.27のレジスタンス水準近くで取り引きされている。20期間移動平均は、どうにか200期間移動平均を上回る方向にクロスし、強気な予想を裏付けた。しかし、長期的(日足チャート)には、20日移動平均が引き続き200日移動平均を下回っていることから、依然として下落トレンドにある。
• サポート:サポート水準は、1320.78(従来のレジスタンス)に存在し、1271.88、1245.03がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、1347.27、1376.73、1423.60(6月の高値)に存在する。
原油
• WTIは、昨日の取引時間中、横ばい取引となり、わずかな動きにとどまり、依然として105.70水準を上回っている。同ペアは、102.62と108.96の間の取引レンジ内で推移しており、これらのうちいずれかを突破すれば、次のトレンドの方向性に関して明らかな示唆が得られるだろう。ただし、価格は引き続き200移動平均を上回っている。
• サポート:サポート水準は、102.62に存在し、100.80、97.85がこれに続くだろう。
• レジスタンス:レジスタンス水準は、107.53と最近の高値である108.85に存在する。次のレジスタンス水準は、週足チャートにおいて114.43に認められる。
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