2018年末の株式市場の下落の後、株式の投資家にとって全てが好転した。数ヶ月に渡って株式市場に影を落としてきた米中貿易摩擦が、合意に近づいているようだ。15日、ドナルド・トランプ米大統領は、3月1日の交渉期限を延期する可能性を示唆した。
したがって、向こう1年間は強気相場となる可能性がある。消費者信頼感指数は、2年ぶりの低水準から回復しており、S&P 500を10週連続で上昇させている現在の株式市場をさらに上昇させるだろう。
今週はいくつかの注目すべき決算発表が控えている。以下が第4四半期決算と業績見通しの発表によって値動きする可能性のある3銘柄である。
1.ウォルマート
世界最大手の小売業者であるウォルマート(NYSE:WMT)は、2月19日の市場開場前に第4四半期決算の発表を控えている。アナリストは1.33ドルのEPS、1386.6億ドルの売上高を予想している。
同社への最大の懸念は、コストが増加していく中で、どのように利益を上げ続けていくかである。また、アマゾン(NASDAQ:AMZN)やその他新興企業などのEコマース業者に対抗していくための、オンライン戦略を示す必要がある。
これらのことを考えると、ウォルマートの第4四半期決算は良い結果とはならないと可能性が高い。しかし、2015年度第3四半期に好転した既存店売上高の上昇は、2019年にさらに加速するだろう。
2018年11月15日の前回の四半期決算では、既存店売上高は16四半期連続で上昇していた。15日の同株は99.99ドルで取引されており、年初来7.3%高となっている。第4四半期決算において既存店売上高とEコマースでさらなる上昇が見られた場合、同株価はさらに上昇するだろう。
2.CVS
CVS(NYSE:CVS)は2月20日市場開場前に第4四半期決算の発表を控えている。同社には昨年11月に行われた、米保険大手であるエトナ社(NYSE:AET)との690億ドルにも及ぶM&A費用への懸念が根強く残っている。
このM&Aはヘルスケアの分野に参入してくるアマゾンへ対抗して、実店舗型小売業におけるサービス面を強化するための取り組みとして行われた。投資家は今回のM&Aを支持しているものの、同社は2019年の業績見通しを下方修正せざるを得なくなった。
過去3ヶ月間で同株は12%下落しており、S&P500の中でアンダーパフォームしている。しかし、エトナ社とのM&Aやコスト管理によって株価を押し上げ、弱気相場を脱却する可能性がある。現在の同株は69.53ドルで取引されているが、アナリストのコンセンサスである88.57ドルを依然として下回っている。
同社の第4四半期決算におけるコンセンサスでは、EPSは昨年同期の1.92ドルから上昇して2.05ドル、売上高は13%上昇して54.58となっている。
3.Wayfair
オンライン家具大手のWayfair (NYSE:W)が2月22日の市場開場前に第4四半期決算が控えており、結果によっては株価は大きく値動きするかもしれない。アナリストは同社の損失拡大、フリーキャッシュフローの悪化に注目してきた。
11月の同社の第3四半期決算では、予想を下まわり、同株は17%安となった。
同株は回復を見せているものの、15日の終値は122.11ドルとなっており、高値である151.2ドルを23%下回っている。また、下落するリスクは高まっている。アナリストは、昨年の1株当たり0.58ドルの損失から1.28ドルまで拡大することを見込んでいる。
同社が世界規模でオンライン上で家具を販売するノウハウを持っていることは間違いないだろう。したがって、アマゾンなどの競合が参入してきても、同社が収益性を急速に高めるための道筋を示す可能性は高いだろう。