2019年の最初の週は、ボラティリティーが高く、不透明な情勢の中で投資家は困惑しているように思える。
先週3日(木)ではアップルは業績見通しを下方修正し、米国主要株価指数は下落した。アップルは下方修正の背景として、予想以上の中国圏の経済低迷を上げている。また同日発表されたISM製造業景況指数は予想を下回り、米国経済の低迷への懸念が加速した。
しかし先週4日(金)では米株式市場は大幅に反発した。これは米雇用統計が大幅に市場予想を上回ったことや、パウエルFRB議長が金融政策の調整余地についての発言を受けている。今後も、マーケットはボラティリティーが高いままであることが予想される。
以下がそれぞれの進展によって、今週に注目が集まる3銘柄である。
1. アップル(Apple)
アップルにとって、2019年のスタートは良いものではなかった。
アップル株は2018年に7%値下がりする結果になった。2019年に入ると、3日の下方修正発表後に約10%の下落となった。昨年の10月の最高値からは39%以上の下落となっている。
今後数週間で、アップルにとって良いニュースが続けば、同株は反発し回復すると考えられる。同社は1月29日に予定されている第1四半期決算前に悪材料を先に投下したとも考えられる。
テクニカル的には、売られすぎであることを示唆している。3ヶ月で39%の下落をした後で、アップルのRSIは約30まで下がっており、リーマンショック以来の低水準になっている。
2. Bed, Bath & Beyond
2018年の堅調な小売業の上で、1月9日(水)の市場終了後に発表される予定である家具量販店大手のBed, Bath & Beyond(NASDAQ:BBBY)の決算報告に注目が集まる。
アナリストの予想では、30.4億ドルの売上で、EPS(1株あたり利益)は0.17ドルと予想されている。前年同期ではEPS0.44ドルであり大きく低下している。
Bed, Bath & Beyondは、eコマースが台頭する中で来店顧客数を伸ばすことに苦戦している。スティーブン・テマレスCEOは同社のeコマース部門において改善が必要だと述べている。しかし、実店舗でのプロモーションが顧客を維持するのに必要な鍵だろう。
前四半期では、既存店売上高は0.6%低下し、過去6四半期連続の低下となった。過去1年間でBed, Bath & Beyondの株価は45%以上下落している。同社のこのスランプは2015年初頭から始まっている。
3. ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリック (NYSE:GE)に関しては、好材料がないと考えられる。
多国籍コングロマリット企業であるゼネラル・エレクトリックは主力製品の需要が落ち込み苦戦している。そして2019年に入っても、改善される兆候は未だにみられない。.
過去1年間で、同社の株は約60%下落している。また、厳しい財務事情を抱えるGEでは配当利回りは0.4%前後となり、低配当株となっている。以前は高配当株として、配当所得を狙う多くの投資家から信頼されていた。
大幅な下落のあとで、同社は徐々に回復の兆候が見られる。先週金曜日、ブルームバーグが伝えたところによると、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントLLCはGEの航空機リースビジネスの買収のために動いているという。時価総額にして400億ドルある。
この報道によってGEは2%上昇し、この買収の確認が取れれば、今週も上昇が維持される可能性がある。これはアポロがGEに出資し、一時同社の収益の半分をしめるGEキャピタルの解体を促すことになるだろう。
また、GEはヘルスケア部門のスピンオフに動いている。最終的なゴールは、ジェットエンジンの開発と電力事業の集中を目指している。