25日の海外外為市場では、ドルの売り買いが交錯する展開に。好調な独指標データと冴えない米指標データを背景にドル売り圧力が強まり、EUR/USDは連日の1.10台乗せ。USD/JPYは前日同様119.20台までドル安が進行した。対ユーロ&円でドル安が進行した一方、対資源国通貨や新興国通貨ではドルが堅調に推移。インフレ低下が鮮明となってきた英ポンドに対してもNYタイムはドル高優勢で推移した。
昨日の外為市場は、上記の通り各主要通貨でドルの方向性がまちまちとなる一方、原油価格続伸にもかかわらず資源国通貨は軟調に推移する等、複雑化した。
この状況を解く鍵は米金利にあろう。米国経済の先行き不透明感を背景に米株が不安定化し続けているにもかかわらず、米金利は、昨日の米5年債入札が不調に終わったことを背景に各ゾーンで上昇。特に米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りが再び0.60%台へ再上昇したことで、「米金利上昇オンリーのドル高」圧力を強めた。「米金利上昇オンリーのドル高」とは、言い換えれば「リスク回避のドル高」である。このような状況下では、リスク(株安)に敏感な資源国通貨やファンダメンタルズ面で脆弱な新興国通貨は対ドルで売り圧力が強まり易い。また、株安を背景としたリスク回避圧力は円買い圧力も強めることから、USD/JPYが下落した事とも整合的である。
そして昨日のUSD/JPYの動向が示唆するところは、円相場の重要ファクターは、やはり米株である、ということだろう。言い換えれば、USD/JPYが今年高値の122.03を更新するには「米株高+金利上昇」が必須条件とうことであり、またクロス円が円安トレンドを維持するにも、リスク選好の先導役である米株が高値圏を維持することが必須条件であるということを示唆している。