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東京貴金属、円安での堅調は継続/白金・パラジウム相場、先行指標のロジウムに注目!

発行済 2014-12-22 17:26
更新済 2023-07-09 19:32

白金・パラジウム相場、ロジウムの動向に注目!

先週は前半に大きく動きましたが、後半から動きが小さくなってきました。クリスマス休暇など海外の参加者が少ないこともあり動意に欠ける展開です。

(ドル建て金スポット60分足)
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ドル建て金相場は、現在概ね1185~1220ドルの範疇にありますが、このレンジを抜けるためには新たな材料が必要です。年内の主なイベントは終了し、次は来年1月の雇用統計を待つのみとなっています。


一方、価格の動向を見る上で重要な内部要因ですが、これも動意に欠ける状況です。

(CFTC建玉明細 NY金)
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投機筋のポジション動向を見るのに役立つCFTCの建玉明細では、投機筋の買い越し(緑の折れ線、買いと売りの差)はほぼ変わらず。
売りは少し減りましたが300トン台前半で売られすぎはありません。従ってショートカバー(売りの買い手仕舞い)での上昇パワーはほとんどありません。
買いは700トン台前半で少し減っています。若干多いですが手仕舞いの売りが年末に入ったとしても下落が続くことはないでしょう。


(フォワードレートの推移)
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こちらは、内部要因を見る際にもう一つのポイントにしている金のフォワードレートの推移を表しています。先週プラスに転じて以降、プラスで推移しています。これは正常な推移ですので弱材料になりません。仮にレンジ下限の1185ドルを下抜ける為には、新規の売りが必要です。しかし、新規に売り込まれればフォワードレートがマイナスに転換しやすくなり、結果下値警戒感が出て、下値を支える要因になります。
このため、やはりレンジ内での動きになると思われます。

内部要因からみてもレンジ内の動きが予想されます。
年末はもちつき相場といわれますが、おそらくドル建て金相場はこのレンジ内の動きでの上下に終始すると思われます。

ただし、東京金相場は日銀の量的緩和、増税先送りによる財政懸念などで円安が押し上げてくる展開になると思われます。中長期で見れば、日米の金融政策の違い、国内のインフレ目標達成のために円安が進み、東京貴金属の価格を押し上げ、中長期的に下値を切り上げる展開が予想されます。

結論として、売買戦略は、売りは短期勝負、買いは中長期的な戦略が良いでしょう。


さて、本日は白金とパラジウムなどの白系貴金属にも注目したいと思います。

(NY白金とパラジウムのサヤ)
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まずは、現在のNY白金、パラジウムの状況ですが、サヤチャートをご覧ください。
2008年のリーマンショック前は、プラチナが中国の自動車生産拡大や投機的な買いによって上昇していましたが、リーマンショック後の大暴落でサヤが急速に縮小しました。その後急激な動きの反動により持ち直しましたが、その後は、白金があまり上がらずやや下落傾向にある中、パラジウムが上昇することでサヤの縮小が続いています。


(ドル建てロジウムの推移)
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こちらは、白金、パラジウムと同じ白系貴金属であるロジウム価格の推移(直近1年間)です。
車の排ガスの触媒として、実は白金とパラジウム、そしてロジウムの合金が利用されており、これらはある程度連動して動きます。

ロジウムは年初から8月まで急上昇していますが、これは南ア鉱山会社のストライキの影響です。この時期に白金もパラジウムも同じく上昇しました。それからは買っていた投機筋の手仕舞いで白金が下落、ロジウムもつれ安になっています。

しかし、ロジウムが先週から上昇に転じています。
ロジウムは白金とパラジウムより先に動く傾向が見られ、ロジウム⇒パラジウム⇒白金の順で動きます。従って、白金、パラジウムの先行指標として注目したいところです。

そのロジウムが先週からドル建てで上昇に転じました。
NYパラジウムは現在上昇してきています。
NY白金は下落から低迷中ですが、ロジウム、パラジウムに続き押し上げがあるか注目です。



当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。

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