米株式相場は3週間ぶりの大幅安。ダウ工業株30種平均は6日ぶりに下げた。世界銀行が世界経済見通しを下方修正したことが響いた。ボーイングも安い。S&P500種 株価指数は前日比0.4%安い1943.89で終了。5月20日以来の大幅安となった。ダウ工業株30種平均は102.04ドル(0.6%)下げて16843.88ドルで終えた。米証券取引所全体の出来高は約52億株と、過去3カ月の平均を17%下回った。世銀は10日公表した報告書で、今年の世界経済の成長率見通しを2.8%とした。1月時点では3.2%を予想していた。米国の成長率予想を2.8%から2.1%に引き下げたほか、ブラジルとロシア、インド、中国についてもそれぞれ下方修正した。ただ15年の世界経済見通しは3.4%成長のまま据え置いた。
ボーイングは2カ月ぶりの大幅安。共和党のキャンター下院院内総務が同党予備選で敗れたため、同社への低金利融資を議会が再承認しないリスクが意識された。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は2.1%安。住宅ローン担保証券(RMBS)の販売をめぐって司法省は同行に約170億ドル(約1兆7400億円)の支払いを求めているとの報道が嫌気された。アナダルコ・ペトロリアムは身売り観測を背景に上場来高値を更新した。税務サービス最大手H&Rブロックは4.6%高。売上高が予想を上回った。
米国のトウモロコシ農家による殺虫剤の利用が急増している。一部の昆虫が遺伝子組み換え(GM)トウモロコシに対して耐性を持つようになっていることについて懸念が高まっているためだ。これは、殺虫能力などがあるとしてGMトウモロコシが17年前に導入されて以降、予期されていなかった事態だ。米農務省(USDA)によれば、トウモロコシ栽培の際の土壌殺虫剤の利用は2010年にかけて90%減少した。
原油先物相場は小反発。米石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫減少幅が過去9週間で最小だったことから、価格は伸び悩んだ。中東情勢の緊迫化で供給障害が起きる可能性が懸念されブレントも上昇し、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)に対する上乗せ幅が拡大した。ロンドンICEのブレント7月限度は43セント(0.4%)高の109.95ドルで終えた。