貴金属、大底は見えたものの、もみ合いの市場

発行済 2015-07-13 15:58
更新済 2023-07-09 19:32

貴金属市場ですが、先週は大きな下落となりました。

こちらのチャートはドル建て銀スポット市場の60分足ですが、金、白金同様に週半ばに大きく下げています。

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ストップロスを巻き込む下げになっていますが、これはギリシャ問題で地合が悪くなったところに、6月半ばから下げていた中国株の不安がとどめとなり、世界的に株価が暴落する結果となってしまいました。

金融資産が下落する中で現金化の動きが起き、現金化しやすい株式、貴金属は影響を受けて大きく下げたのです。


このときの下げを反映したCFTCの建玉明細から、貴金属市場の動きをみてみましょう。

まずは、銀です。

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投機筋の新規売りが大きく増えて、買い越しが一気に減少しているのが分かります。買い越しは、今年最も少ない水準で、マイナスになるほどの勢いになっています。


一方、金も売りが増えて、買い越しが減っています。

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白金は、それほど変化はありませんが、売りが多い状況は他の貴金属と同様です。

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中国市場は一旦落ち着き、ギリシャはEU側と財務再建策で合意するかと思われ、落ち着きを取り戻した金融市場ですが、週末にギリシャとEU側が合意できず、EU側はギリシャに法制化を求めました。この回答期限が7月15日ですが、現在は、ギリシャがEUを離脱するなど、どんな事も起こりうる状況です。

そんな中で、今朝の貴金属市場は売られるかと思われましたが、そうはならずに小動きのままです。今後、ギリシャとEUがもの別れとなっても、投機筋の売りの偏りが大きく、これ以上売りを増やしにくい状況まできていると思われ、貴金属市場の下落は起こりにくいのではないでしょうか。


結論として、
貴金属市場は、これからV字回復は考えにくいですが、売られにくくなっており、今週はもち合いが予想されます。
売買戦略としては、中・長期で押し上げ効果を狙って、レバレッジを抑えてから買い拾うのが良いと思われます。


当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。

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