先週末の雇用統計は決め手にならずに、利上げの思惑は、結局来週のFOMC待ちとなりました。
今週はもみあいになるでしょう。ただし、東京金は、NY金以上に、上下に振れる展開になると思われます。
現在は、リスクオン、リスクオフの動きが、株、為替、金で同じ動きをしているためです。
詳しい理由は、以下をご覧ください。
まずは、NY金の日足です。
先々週に1150ドルまで上昇したNY金は、先週は1120-1150ドルのレンジの動きでした。
その間、ECB、米国雇用統計とイベントがあったものの、もみあいの範疇での動きです。
こちらは雇用統計発表前後の動きを示しています。
米国雇用統計は、事前予想では20万人を超える数字でしたが結果は17万人で、発表直後は大きく上昇しました。これだけでは利上げは難しいと思われました。
しかし、失業率の改善や、過去の数値を上方修正したことを受けて、数分後には反落して発表前を下回りました。(上掲載チャート)
結局、利上げは来週のFOMCまで予想はまちまちで、もみあいの動きとなるでしょう。
さて、NY金の動きですが、個人的にはNYダウ平均が影響していると思っています。
通常は、ダウが下げると、ドル安、NY金は上昇、という動きが見られます。
しかし現在は、中国経済に対する不安をもとに、世界的に金融不安があり、ダウが下げると、ドル安・円高、NY金は下落する、というようにリスク回避時でも金は同じ動きになっています。
従って、通常ならドル安でNY金が上昇、一方円高で東京金は動きが鈍くなるところが、NY金が下落しているため、東京金は、NY金安と円高により、動きが増幅されている状態です。
NY金はもみあいになるとはいえ、東京金は上下に大きく振れやすいため、注意が必要です。
ドル円の目先の動きですが、現在は、円が買われやすい地合いになっています。
ECBの追加金融緩和観測、日銀は現状維持、米国の利上げの思惑がからみ、円高リスクに注意が必要です。
最後にプラチナです。
プラチナの下落の要因は、何と言ってもランド安です。
現在、ランドは対ドルで安値を更新しています。
投機筋は、主な産業である輸出資源が安く、南ア経済が低迷、しかも通貨防衛のための利上げはできない状況で、ランド売りを仕掛けています。
プラチナは、金が上昇しても、ランド安に変化がない限り上昇が鈍くなるでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。