雇用統計は決定打にならず、結局FOMC待ち

発行済 2015-09-07 16:05
更新済 2023-07-09 19:32

先週末の雇用統計は決め手にならずに、利上げの思惑は、結局来週のFOMC待ちとなりました。

今週はもみあいになるでしょう。ただし、東京金は、NY金以上に、上下に振れる展開になると思われます。

現在は、リスクオン、リスクオフの動きが、株、為替、金で同じ動きをしているためです。

詳しい理由は、以下をご覧ください。


まずは、NY金の日足です。

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先々週に1150ドルまで上昇したNY金は、先週は1120-1150ドルのレンジの動きでした。

その間、ECB、米国雇用統計とイベントがあったものの、もみあいの範疇での動きです。


こちらは雇用統計発表前後の動きを示しています。

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米国雇用統計は、事前予想では20万人を超える数字でしたが結果は17万人で、発表直後は大きく上昇しました。これだけでは利上げは難しいと思われました。

しかし、失業率の改善や、過去の数値を上方修正したことを受けて、数分後には反落して発表前を下回りました。(上掲載チャート)

結局、利上げは来週のFOMCまで予想はまちまちで、もみあいの動きとなるでしょう。


さて、NY金の動きですが、個人的にはNYダウ平均が影響していると思っています。

通常は、ダウが下げると、ドル安、NY金は上昇、という動きが見られます。

しかし現在は、中国経済に対する不安をもとに、世界的に金融不安があり、ダウが下げると、ドル安・円高、NY金は下落する、というようにリスク回避時でも金は同じ動きになっています。

従って、通常ならドル安でNY金が上昇、一方円高で東京金は動きが鈍くなるところが、NY金が下落しているため、東京金は、NY金安と円高により、動きが増幅されている状態です。

NY金はもみあいになるとはいえ、東京金は上下に大きく振れやすいため、注意が必要です。


ドル円の目先の動きですが、現在は、円が買われやすい地合いになっています。

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ECBの追加金融緩和観測、日銀は現状維持、米国の利上げの思惑がからみ、円高リスクに注意が必要です。


最後にプラチナです。

プラチナの下落の要因は、何と言ってもランド安です。

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現在、ランドは対ドルで安値を更新しています。

投機筋は、主な産業である輸出資源が安く、南ア経済が低迷、しかも通貨防衛のための利上げはできない状況で、ランド売りを仕掛けています。

プラチナは、金が上昇しても、ランド安に変化がない限り上昇が鈍くなるでしょう。

当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。

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