別図は、政府発表分と民間発表分の中国PMIの推移である。
GDPと同様であるが、政府発表分のボラティリティは極めて小さく、恣意性も感じられるものとなっている。
加えて、民間発表分との比較では総じて高水準で推移しており、景気の後退期には多少のかさ上げが図られている可能性もあろう。
また、政府発表分でみても、足元のPMIの数値は前年同期と比較して、横ばいないしは低下傾向になっているため、GDPの7%成長はやはり正当化しにくいものと考える。
なお、政府発表分と民間発表分の乖離を見たものが下表だ。
2013年は月平均で2.4%、2014年は同1.1%、2015年は同2.8%、それぞれ民間発表分が政府発表分に対して下振れる形になっている。
年月→四半期平均→年間平均
2013年3月→-2.4
2013年6月→-2.9
2013年9月→-1.0
2013年12月→-3.3→-2.4
2014年3月→-2.6
2014年6月→-1.2
2014年9月→-0.8
2014年12月→0.1→-1.1
2015年3月→-2.0
2015年6月→-4.8
2015年9月→-2.7
2015年12月→-1.7 →-2.8
2016年3月→-2.0
2016年6月→0.0
中国のGDPは2012年以降、極端に変動幅が広がるなど、数値の正確性に対する疑問が強まってきている。
一方、民間発表のPMIは比較的、中国経済の正確な数値を示しているとの見方もあり、仮に、PMIの民間発表分と政府発表分の乖離程度はGDPがかさ上げされているとみれば、乖離分だけ成長率を低下させるとGDPは以下のようなものになってくる。
年→名目GDP→成長率→推計GDP→成長率
2012→54.0兆元→→→54.0兆元
2013→59.5兆元→10.2%→58.1兆元→7.6%
2014→64.4兆元→8.2%→62.22兆元→7.0%
2015→68.6兆元→6.4%→64.4兆元→3.5%
執筆
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコチーフアナリスト 佐藤勝己
【世界の金融市場シナリオ分析】は、フィスコアナリストが世界金融市場の今後を独自の視点から分析、予見する不定期レポートです。
今回の中国経済についてのレポートは、フィスコ監修・実業之日本社刊の雑誌「Jマネー FISCO 株・企業報」の次回号(2017年1月刊行予定)の大特集「中国経済と日本市場(仮題)」に掲載予定です。
GDPと同様であるが、政府発表分のボラティリティは極めて小さく、恣意性も感じられるものとなっている。
加えて、民間発表分との比較では総じて高水準で推移しており、景気の後退期には多少のかさ上げが図られている可能性もあろう。
また、政府発表分でみても、足元のPMIの数値は前年同期と比較して、横ばいないしは低下傾向になっているため、GDPの7%成長はやはり正当化しにくいものと考える。
なお、政府発表分と民間発表分の乖離を見たものが下表だ。
2013年は月平均で2.4%、2014年は同1.1%、2015年は同2.8%、それぞれ民間発表分が政府発表分に対して下振れる形になっている。
年月→四半期平均→年間平均
2013年3月→-2.4
2013年6月→-2.9
2013年9月→-1.0
2013年12月→-3.3→-2.4
2014年3月→-2.6
2014年6月→-1.2
2014年9月→-0.8
2014年12月→0.1→-1.1
2015年3月→-2.0
2015年6月→-4.8
2015年9月→-2.7
2015年12月→-1.7 →-2.8
2016年3月→-2.0
2016年6月→0.0
中国のGDPは2012年以降、極端に変動幅が広がるなど、数値の正確性に対する疑問が強まってきている。
一方、民間発表のPMIは比較的、中国経済の正確な数値を示しているとの見方もあり、仮に、PMIの民間発表分と政府発表分の乖離程度はGDPがかさ上げされているとみれば、乖離分だけ成長率を低下させるとGDPは以下のようなものになってくる。
年→名目GDP→成長率→推計GDP→成長率
2012→54.0兆元→→→54.0兆元
2013→59.5兆元→10.2%→58.1兆元→7.6%
2014→64.4兆元→8.2%→62.22兆元→7.0%
2015→68.6兆元→6.4%→64.4兆元→3.5%
執筆
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコチーフアナリスト 佐藤勝己
【世界の金融市場シナリオ分析】は、フィスコアナリストが世界金融市場の今後を独自の視点から分析、予見する不定期レポートです。
今回の中国経済についてのレポートは、フィスコ監修・実業之日本社刊の雑誌「Jマネー FISCO 株・企業報」の次回号(2017年1月刊行予定)の大特集「中国経済と日本市場(仮題)」に掲載予定です。