サイバーマンデー特売。最大60%引きInvestingPro特別セールを請求する

中国偽装GDPを晒す(5)PMI乖離からの試算は成長率3%台【世界の金融市場シナリオ分析、中国のヤバイ経済学編(12)】(訂正)

発行済 2016-10-24 13:58
更新済 2016-10-24 14:00
中国偽装GDPを晒す(5)PMI乖離からの試算は成長率3%台【世界の金融市場シナリオ分析、中国のヤバイ経済学編(12)】(訂正)
別図は、政府発表分と民間発表分の中国PMIの推移である。
GDPと同様であるが、政府発表分のボラティリティは極めて小さく、恣意性も感じられるものとなっている。
加えて、民間発表分との比較では総じて高水準で推移しており、景気の後退期には多少のかさ上げが図られている可能性もあろう。


また、政府発表分でみても、足元のPMIの数値は前年同期と比較して、横ばいないしは低下傾向になっているため、GDPの7%成長はやはり正当化しにくいものと考える。


なお、政府発表分と民間発表分の乖離を見たものが下表だ。
2013年は月平均で2.4%、2014年は同1.1%、2015年は同2.8%、それぞれ民間発表分が政府発表分に対して下振れる形になっている。


年月→四半期平均→年間平均
2013年3月→-2.4
2013年6月→-2.9
2013年9月→-1.0
2013年12月→-3.3→-2.4
2014年3月→-2.6
2014年6月→-1.2
2014年9月→-0.8
2014年12月→0.1→-1.1
2015年3月→-2.0
2015年6月→-4.8
2015年9月→-2.7
2015年12月→-1.7 →-2.8
2016年3月→-2.0
2016年6月→0.0

中国のGDPは2012年以降、極端に変動幅が広がるなど、数値の正確性に対する疑問が強まってきている。
一方、民間発表のPMIは比較的、中国経済の正確な数値を示しているとの見方もあり、仮に、PMIの民間発表分と政府発表分の乖離程度はGDPがかさ上げされているとみれば、乖離分だけ成長率を低下させるとGDPは以下のようなものになってくる。


年→名目GDP→成長率→推計GDP→成長率
2012→54.0兆元→→→54.0兆元
2013→59.5兆元→10.2%→58.1兆元→7.6%
2014→64.4兆元→8.2%→62.22兆元→7.0%
2015→68.6兆元→6.4%→64.4兆元→3.5%

執筆
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコチーフアナリスト 佐藤勝己

【世界の金融市場シナリオ分析】は、フィスコアナリストが世界金融市場の今後を独自の視点から分析、予見する不定期レポートです。
今回の中国経済についてのレポートは、フィスコ監修・実業之日本社刊の雑誌「Jマネー FISCO 株・企業報」の次回号(2017年1月刊行予定)の大特集「中国経済と日本市場(仮題)」に掲載予定です。



最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます