欧州市場サマリー（9日）

　 　　 1421GMT 　　　　　　8日

ユーロ／ドル 　 1.4719 　　　　　1.4698

ドル／円 　 　87.940 　　　　　88.400

ユーロ／円 　 129.43 　　　　　 129.90

　　　　　　　　　　　　　　9日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5203.89（‐19.24） 5223.13

　　クセトラＤＡＸ　　　　　5647.84（‐40.74） 5688.58

金　現物午後値決め 1141.00 1146.75

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(３月限)　 99.195 (‐0.010)　　0.342(0.342)

独連邦債２年物 1.223(1.241)

独連邦債１０年物(３月限) 123.45 (＋0.05) 3.142(3.153)

独連邦債３０年物 　 3.916(3.917)

--------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロ／ドルが反発。前日、フィッチによるギリシャ格下げに圧迫され１カ

月超ぶり安値をつけていたが、投資家の間で下落は行き過ぎだったとの見方が広がった。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続落。スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）によるスペイ

ンの格付け見通し引き下げが圧迫要因となるなか、エネルギー・食品小売株が下落した。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は１週間超ぶり低水準となった。

　原油価格が１バレル＝７３ドル付近で推移する中、石油・ガス株が弱かった。ＢＧグル

ープ、ＢＰ、ケアン・エナジーが０．４―１．１％安。ロイヤル・

ダッチ・シェルは０．３％上昇した。

　食品小売株も軟調。テスコは前日の下げを拡大し２．５％安。モリソン

が１．２％、セインズベリーが１．１％それぞれ下落した。

　Ｓ＆Ｐがスペインの格付けアウトルックを「ネガティブ」に引き下げたことを受け、投

資家心理が悪化した。Ｓ＆Ｐは同国政府が厳しい措置を実施しない場合、債務格付けは２

年以内に引き下げられるリスクがあると警告した。

　英生保株も売り優勢となった。アヴィヴァ、リーガル・アンド・ゼネラル

、オールド・ミューチュアル、プルーデンシャル、スタンダード

・ライフが０．７―５．６％値下がりした。

　一方、金属相場がしっかりとなり、鉱山株は概ねプラス圏で推移した。ランドゴールド

・リソーシズ、リオ・ティント、エクストラータが０．９―

１．９％上昇した。

　一部銀行株にも買いが入った。ＨＳＢＣが０．６％高、ロイズ・バンキング・

グループが１．７％高。スタンダード・チャータード（スタンチャート）銀行

も１．７％上昇した。スタンチャートは、ドバイ関連損失について膨らむ可能性

はそれほどないとの見方を確認した。

　一方、バークレイズは３．３％、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド

（ＲＢＳ）は０．４％、それぞれ値下がりした。

　英ダーリング財務相はこの日、議会で来年度予算編成方針を発表し、銀行賞与の一部に

一回限りの課税を行うことを明らかにしたほか、０９年の成長率予想をこれまでのマイナ

ス３．２５―マイナス３．７５％からマイナス４．７５％に下方修正した。

　欧州株式市場は下落し、１週間強ぶりの安値で引けた。スタンダード＆プアーズ

（Ｓ＆Ｐ）が同日、スペインの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げ

たことを受け、市場心理が悪化。金融関連株を中心に売りが出た。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は９．８１ポイント（０．９８％）安

の９９４．６０。終値としては１１月３０日以来の安値となった。

　Ｓ＆Ｐは、スペイン政府が厳格に対処しない場合、同国の格付けを２年以内に引き下げ

る可能性があると警告した。前日には、米格付け会社フィッチ・レーティングスが財政悪

化を理由にギリシャ国債の格付けを引き下げたばかり。

　ＢＧＣパートナーズ（ロンドン）のデビッド・ブイク氏は「今は誰もが非常に慎重にな

っている。これは当然のことだ。前日にはギリシャが格下げされ、スペインでは失業率が

約１６％となっており、同国の経済見通しはかなり悪い」と述べた。

　この日の下げが最もきつかったセクターの１つが銀行株。ＤＪＳＴＯＸＸ欧州銀行指数

<.SX7P>は１．６％下落。スペインのサンタンデールは４．１％、バンコ・ビル

バオ・ビスカヤ・アルヘンタリア（ＢＢＶＡ）は４％、それぞれ下落した。

　スペインの主要株価指数<.IBEX>は２．４％値下がりした。

　英銀大手バークレイズ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）

、スイス金融大手ＵＢＳ、ドイツ銀行、独コメルツバンク

、独ポストバンクは０．６─３．３％安。

　ギリシャの銀行株も下げた。ナショナルバンク、ＥＦＧユーロバンク

、アルファバンク、ピラエウスバンクは６．６─８．４％

安。ギリシャ銀行指数<.FTATBNK>は５．８％安。

　グローバルエクイティーズ（パリ）のダビッド・テボール氏は「欧州銀行の多くのがギ

リシャの銀行の株式を保有していたり、同国の債務へのエクスポージャーを抱えていたり

するため、ギリシャの債務問題はドバイの信用問題よりも深刻だ」と述べた。

　ただ同氏は欧州株価へのリスクは限定的だとし「株価は過去数日間は下落しており、レ

ンジの下限に近い水準ではあるものの、レンジ内での動きとなっている。クリスマス時期

の株価上昇の可能性はまだ存在する」と指摘した。

　＜ユーロ圏債券＞　上昇。前日のギリシャ国債の格下げを受け神経質な取引が続くなか、

質への逃避買いが膨らんだ。リスク回避の動きを背景に、この日実施された独連邦債２年

物入札は堅調な需要となった。

　スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）はこの日、スペインの格付けアウトルックを「ネガ

ティブ」に引き下げた。

　１０年物のスペイン国債と独連邦債の利回り格差は６９ベーシ

スポイント（ｂｐ）と前日から約９ｂｐ拡大し、７月以来の高水準となった。スペインは

１０日に１０年債の発行を控えている。

　１０年物のギリシャ国債と独連邦債の利回り格差は最大２６０ｂｐに拡大。ロイターの

データによると、４月初旬以来の高水準。

　同アイルランド国債と独連邦債の利回り格差も１９３ｂｐと、７月下旬以来の水準に拡

大した。　　

　リスク回避の動きに支援され、独連邦債２年物利回りは０．１９ｂｐ低下の

１．２２４％。

　同１０年物利回りは２．５ｂｐ低下し３．１３％。

　２・１０年物利回り格差は１９１ｂｐと、イールドカーブがフラット化した。

　独連邦債先物３月限の清算値は１１ティック高の１２３．５１。一時、１週間

ぶりの高値となる１２３．７２をつけた。

　独連邦債への需要は、この日実施された４２億ユーロの独連邦債２年物入札も支援した。

　ＢＮＰパリバは、０９年のユーロ圏の国債入札規模がグロスで９３５０億ユーロ、ネッ

トで３８５０億ユーロになると予想している。

　欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのウェーバー独連銀総裁は、ＥＣＢが導入した

非標準的な流動性対策は来年、導入された順番を逆戻りする形で解消されていく、との見

解を示した。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１０日　ロイター］