再送：欧州市場サマリー（11日）

＊この記事は１２日に配信しました。

　 　　 1659GMT 　　　　　　10日

ユーロ／ドル 　 1.4596 1.4734

ドル／円 　 　89.180 88.180

ユーロ／円 　 130.24 129.91

　　　　　　　　　　　　　　11日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5261.57（＋17.20） 5244.37

　　クセトラＤＡＸ　　　　　5756.29（＋47.27） 5709.02

金　現物午後値決め 1124.00 1128.50

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(３月限)　 99.175 (＋0.000)　　0.320(0.366)

独連邦債２年物 1.273(1.244)

独連邦債１０年物(３月限) 122.88 (‐0.23) 3.203(3.178)

独連邦債３０年物 　 3.982(3.981)

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　＜為替＞　ドルが対ユーロで２カ月ぶり高値をつけた。米小売売上高やミシガン大消費

者信頼感指数が予想を上回り、連邦準備理事会（ＦＲＢ）が割合早く利上げに踏み切ると

の期待が強まった。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続伸。中国鉱工業生産が強い伸びとなったことを受け金

属価格が上昇し、鉱山株の買いが膨らんだ。半面、銀行・エネルギー株は下落した。

　堅調な指標が相場を支援した。１１月の米小売売上高は前月比１．３％増と、市場予想

の０．７％増を上回り、今年８月以来の大幅な伸びとなった。増加は２カ月連続。

　１０月の米企業在庫・売上高統計では、企業在庫が前月比０．２％増と前年８月以来初

めてプラスに転じた。

　鉱山株が上昇を主導。１１月中国鉱工業生産が０７年６月以来の大幅な伸びとなり、景

気減速からの順調な回復を浮き彫りにした。

　カザキミス、ロンミン、ベダンタ・リソーシズ、エクストラー

タ、アントファガスタ、フレスニロ、ＢＨＰビリトンは

１．４─３％高。

　ディフェンシブ銘柄も高い。医薬品のアストラゼネカは１％高、グラクソ・ス

ミスクラインは０．４％高。

　インペリアル・タバコとブリティッシュ・アメリカン・タバコはとも

に１％高。

　力強い米指標を背景に米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が割合早い時期に利上げを実施する

可能性があるとの見方が高まり、ドルが対ユーロで２カ月ぶり高値をつけた。これを受け

原油先物が下落し、石油株を圧迫した。　

　ロイヤル・ダッチ・シェル、ケアン・エナジー、ＢＧグループ、

タロー・オイルは０．１─０．４％安。

　銀行株も売られ、今週初めの上げを一部削った。スタンダード・チャータード、

ロイズ・バンキング・グループ、ＨＳＢＣ、バークレイズ、

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドは１─３．５％安。

　欧州株式市場は続伸。予想を上回る米経済指標を受けて、鉱山株などを中心に買いが入

った。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は５．２６ポイント（０．５２％）高

の１０１０．１６。週間ベースでは１．５％下落した。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は１１．０３ポイント（０．３９％）高

の２８６２．３２。

　株式などリスク資産に対する投資家の投資意欲を示すＤＡＸ・ＮＥＷボラティリティ指

数<.V1XI>はこの日６％低下した。同指数が低いほど、リスク選好度が高い。

　鉱山株の上げが目立った。１１月の中国鉱工業生産が２００７年６月以来の大幅な伸び

となったことを受け、金属相場がしっかりで推移した。

　ＢＨＰビリトン、アングロ・アメリカン、アントファガスタ、

リオ・ティント、エクストラータが１．３―１．８％上昇した。

　この日発表された米指標は、１１月の小売売上高が前月比１．３％増とアナリスト予想

を上回り、今年８月以来の大幅な伸びとなった。

　労働市場が安定化していることを示す兆候がみられる中、１２月のミシガン大消費者信

頼感指数（速報値）も前月から改善し、市場予想を上回った。

　化学株が買われた。ＢＡＳＦ、バイエルがともに１．９％高とな

った。

　一方、金融株は下落した。保険大手アクサは１．６％安。複数の関係筋によ

ると、アクサが保有している中国第４位の生命保険会社、泰康人寿株（１５．６％）の売

却入札が棚上げされている。中国の保険会社への投資に関する新規制をめぐる懸念の高ま

りが背景。中国の保険規制当局による最終的な規制案に、中国の保険会社に対する海外の

プライベートエクイティによる投資の禁止が含まれるのではないかとの懸念が出ている。

　銀行株はこの日も弱かった。ＨＳＢＣ、バークレイズ、ロイズ・バン

キング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）

、ナティクシス、ＵＢＳが１―３．４％安。

　スペインとギリシャの銀行株も売られ、サンタンデールが０．８％、ギリシャ

国立銀行が６．１％、それぞれ値下がりした。

　＜ユーロ圏債券＞　欧州当局者がギリシャへの支持を示すなか、独連邦債以外のユーロ

圏債券が買われた。

　金融市場が比較的平穏に推移するなか、安全資産としての独連邦債はマイナス圏で推移

した。また、１１月の米小売売上高が予想を上回ったことを受け、独連邦債先物は一時、

２週間超ぶりの安値をつけた。

　欧州連合（ＥＵ）当局者がギリシャを支持する姿勢を示し、同国首相が赤字や債務削減

に向けすべての必要な措置を講じると表明したことを受け、ギリシャ国債は安定的に推移

した。

　ラガルド仏経済財務雇用相は、ギリシャが債務問題への取り組みで他のユーロ圏加盟国

に頼ることが可能であるとしたものの、同国政府が公共財政の建て直しを図ることを期待

している、と語った。

　１０年物のギリシャ国債と独連邦債の利回り格差は

２１５ベーシスポイント（ｂｐ）付近に縮小した。前日終盤は約２３０ｂｐだった。今週

初めには、４月以来の水準となる２６７ｂｐに拡大していた。

　ＣＭＡデータビジョンによると、ギリシャ国債のクレジット・デフォルト・スワップ

（ＣＤＳ）は２００ｂｐと、前日の欧州市場での取引水準から約３０ｂｐ低下した。これ

は債務１０００万ユーロ対する保証コストが２０万ユーロであることを示している。

　独連邦債先物３月限の清算値は４２ティック安の

１２２．６９。一時、２週間超ぶりの安値となる１２２．５５をつけた。

　独連邦債２年物利回りは４．７ｂｐ上昇し１．２８５％。

　同１０年物利回りは４．１ｂｐ上昇し３．２１７％。

　ウエストＬＢのストラテジスト、ミヒャエル・ライスター氏は「相場はバイアスが下向

きとなるなか、値固め局面にある。しかし、ギリシャをめぐるリスク心理にかかってくる

だろう。これは一部和らいだが、市場は引き続きギリシャをめぐるニュースに対しぜい弱

となっている」と述べた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１２日　ロイター］