金価格は金曜日の午前中にアジア市場で高騰し、4週連続の上昇へと向かっている。米国株式市場の反発にもかかわらず、アジア株式市場は下落し、安全資産の需要によって金価格は値を上げた。
ニューヨーク商品取引所のComex部門12月限金先物は、午後2時23分時点で0.16%上昇し、1トロイオンスあたり1,234.5ドルとなっている。ドルインデックスは0.25%高の96.42をつけた。
ダウ平均やS&P500は前日の大幅安から反発し、年初の価格を再度上回った。木曜日の上昇はフェイスブック(NASDAQ: FB)やネットフリックス(NASDAQ: NFLX)のようなテクノロジー企業が牽引した。ナスダック総合指数は2.95%、 ダウ平均と S&P 500もそれぞれ1.63%と1.86%上昇した。
「四半期決算は、予想を上回る利益と売上、見通しとなり好調だ。その3つは投資家に自信を与えている。この5週間でわれわれが目にした大幅安の後、市場に安定をもたらしてくれた」とKenny’s Commentary LLCの創設者であるピーター・ケニー氏は、ロイター通信に語った。
米連邦準備制度理事会(FRB)のリチャード・クラリダ副議長が「金利上昇が経済を押し上げる可能性がある」と演説で述べたため、投資家は12月の利上げを予想した。
しかし、米国市場の反発はアジアの対応を刺激しなかった。中国の上海総合指数は0.57%安、深セン総合指数は0.37%安、香港の ハンセン指数は1.06%安、日本の日経225は0.70%安、韓国 KOSPIは1.94%安となっている
アジア市場は、米国と中国の貿易摩擦、中国の経済成長の鈍化、欧州委員会が拒否したイタリアの予算に懸念が高まっている。これらの状況は、投資家をアジア株式から離れさせ、金に向かわせている。
「第一に、そして最も重要なことは、FRBが金融引き締めを行い、政府が財政出動を減らすことだ。第二に、中国経済は引き続き苦戦する。これらの懸念は今後12ヶ月間でさらに悪化する可能性が高い」とキャピタルエコノミクスのアナリストはロイター通信に述べた。
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