この1週間で金価格は上昇していたが、11日では反落している。
日本時間午前5時40分、スポット金は0.3%の3.87ドル、1オンスでは1,307.97ドルとなった。直近2週間の高値の1,310.65ドルを打ち出した後に下落する結果となった。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の6月金先物は0.4%高の5.60ドル、1オンスでは1,313.90ドルとなった。スポット金と同様に、直近2週間の高値の1,314.65ドルを付けてから下落した。
日本時間11日午前3時に、FOMC議事要旨が公表された。FRBは年内の利上げを見送り、利下げへの期待が高まっている。一方で、現時点で利下げを予想しているメンバーはいない。
トランプ米大統領は、今年米国の経済成長が鈍化している原因が、FRBが昨年金利を4回引き上げたことにあるとして批判し、経済補強のために金利引き下げを要求している。FRBによる金利引き上げは、トランプ氏の意向と衝突しつつ、金価格を押し下げることになるだろう。
10日、トランプ氏の要求に対し反発気味のFOMC議事要旨が発表されたことを受け、ドルは弱含みとなった。
ドルインデックスは、直近2週間の安値の96.453をつけた後、0.1%安の96.537となった。
テキサスのDillon Gage Metalsの副社長であるWalter Pehowich氏は、市場はFOMC議事要旨から「FRB議長のジェローム・パウエルが直近の会議で言及しなかった重大な情報があるかどうか見極めようと」しており、11日の金市場への影響が考えられると述べた。
欧州中央銀行が超低金利政策を継続することによりユーロ圏経済は引き続き脆弱化されそうだ。この予測を受け、10日早くの取引では金価格が支えられた。
パラジウム価格は2日間の上昇の後で下落したが、金属の中ではなお世界最高値である。パラジウムは自動車の排気ガスに含まれる有害物質を浄化する触媒として用いられる金属である。
スポットパラジウムは0.2%安の2.05ドル、1オンスでは1,389.80ドルとなっている。先月初頭には金価格をおよそ300ドル上回ったが、金との価格差は100ドル以下まで縮小している。
日本時間午前5時40分時点でのその他金属取引
パラジウム先物は0.1%安の75セント、1オンスでは1,361.85ドルとなった。
プラチナ先物は1%高の8.15ドル、1オンスでは907.45ドルとなった。
銀先物は1オンス15.20ドルで小動き。
銅先物は0.4%安の1セント、1ポンドでは2.94ドルとなった。