ドル/円
午後3時現在 90.75/79 1.3921/23 126.32/38
正午現在 90.85/87 1.3908/11 126.35/42
午前9時現在 90.77/78 1.3921/24 126.37/41
NY17時現在 90.61/63 1.3926/30 126.19/29
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[東京 2日 ロイター] 午後3時現在のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時
時点から小幅高の90円後半で推移している。東京市場では、90円後半でのレンジ取引
になった。一方、豪中銀が予想に反して利上げを見送ったため、豪ドルが急落。対米ドル
で一時0.88ドルを割り込んだほか、対円でもストップロスを巻き込んで79円後半ま
で売られた。対豪ドルでのドル買いがユーロ/ドルに波及したほか、豪ドル/円の円買い
がクロス円の円買いに波及するなど、一時は豪ドル発の波紋が広がったが、ユーロなど他
通貨への影響は一時的なものに終わった。豪ドルは水準訂正したものの、利上げ打ち止め
感は広がらず、テクニカルなサポートである0.88ドル近辺では下げ渋る動きになって
いる。
<ボルカー米経済再生諮問会議議長の議会証言の事前消化進む>
きょうの参加者の注目イベントは2つ。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)
の金融政策発表と、ボルカー米経済再生諮問会議議長の議会証言だ。
まず、市場はボルカー議長の議会証言という材料の事前消化を進めた。英フィナンシャ
ルタイムズ紙電子版は1日、ニュースサービス「ディールリポーター」の記事として、オ
バマ米政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー元連邦準備理事会(FRB)議長の
銀行規制案が上院で、廃案もしくは大幅な変更になる可能性があると伝え、金融規制に身
構えていた市場には安心感が広がった。リスク・オンの地合いのなかでドル/円は海外市
場での上昇を引き継ぎ、一時90.92円をつけるなど90円後半で上値もみあいが続い
た。
午前11時前にはロイターが入手した証言原稿から、ボルカー経済再生諮問会議議長は
商業銀行の自己勘定取引やヘッジファンドとのビジネスを制限することはリスクを減らす
ことに寄与すると発言する見通しが明らかになった。「この範囲であれば、市場はすでに
織り込み済み。この案の消化から、実現性の検証の段階にきている」(国内銀行)との声
が上がり、豪ドルやユーロなどリスク回避ムードの後退で海外市場から上昇してきた通貨
が伸び悩む動きをみせたものの、全般に大きな変化はみられなかった。
<豪中銀が予想外の利上げ見送り、豪ドル急落>
午後零時半、豪中銀が予想外の利上げ見送りを発表。0.25%の利上げを織り込んで
いた参加者は一斉にポジション調整に走った。豪ドル/米ドルは0.8922ドル付近か
ら0.8782ドル付近まで100ポイント以上急落。豪ドル/円も81円前半からスト
ップロスを巻き込んで79円後半へ約1.50円売り込まれた。
ただ、豪中銀の声明は「経済状況が総じて予想通りの展開となれば、理事会はインフレ
を中期的な目標に沿った水準とするため、金融政策をさらに調整する必要がある」として
いる。市場では「今回の利上げ見送りで利上げサイクルが終了するかどうかの判断は時期
尚早」(ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏)、「いったん休止しただ
けで、いずれ利上げが再開される」(国内銀行)との見方が広がった。
豪ドルへの期待の強さからロングポジションが膨らんでいたため、まずはロングの手仕
舞いが先行したが「ポジション調整の範囲であって、(豪景気回復という)シナリオの見
直しには至らない」(国内金融機関)という。豪ドル/米ドルは、前日までのリスク・オ
フの過程で0.8775ドルまで下値をつけているが、きょうの急落場面でもこの手前で
下げ渋っており、その後は0.88ドルをはさんだ攻防戦が続いている。
<豪ドル急落で他通貨にも波紋、インパクトは限定的>
豪ドル/米ドルでの米ドル買いがユーロ/ドルに波及し、豪ドル/円での円買いがクロ
ス円に波及したことで、ユーロ/ドルは発表直前の1.3917ドルから1.3886ド
ルまで約30ポイント水準を切り下げたが、影響はここまでだった。きょうのボルカー米
経済再生諮問会議議長の議会証言をにらんで参加者が神経質になるなか、リスク通貨の代
表格である豪ドルの下げがリスク回避のトリガーを引くかどうがが注目されたが「利上げ
打ち止めが決まったわけではなく、そこまでのインパクトはない」(外銀)という。
クロス円も一時は売りが先行した。「豪ドル/円で証拠金取引による投げが出ているよ
うで、証拠金取引を通じてクロス円にも売りが広がった」(国内銀行)という。ユーロ/
円は発表直前の126.52円から125.86円まで水準を切り下げた。ただ、豪ドル
以外の通貨の調整は一時的なものに終わり、ユーロ/ドル、ユーロ/円などは売り一巡後
は値を戻している。
<悪材料の織り込み進む、下値確認の可能性も>
豪ドル/米ドルもテクニカルサポートである0.88ドル付近では下げ渋る動きをみせ
ていることで「逆に下値の堅さを確認することになるかもしれない」(国内金融機関)と
の見方も出ている。
「豪ドルは利上げ見送りというイベントでも0.88米ドル付近が底堅く、ユーロ/ド
ルも1.3850ドル付近のオプションバリアが下値を支えている。全般にリスク・オフ
に対して下値が堅くなってきた」(国内金融機関)という。
きょうのボルカー米経済再生諮問会議議長の議会証言も「事前原稿の範囲なら材料視さ
れないのではないか。今後は、むしろリスク・オンの材料に反応しやすくなる可能性があ
る」(国内金融機関)との声が上がっている。
<議会証言では、規制の具体策と共和党の反応に注目>
議会証言については「商業銀行の自己勘定取引やヘッジファンドとのビジネスの制限の
方法が具体的に示されるかが問題で、自己勘定といってもマーケット・メークのような市
場のインフラ機能を担う取引もある。投機マネーには流動性に厚みをつけるという意味も
ある。さらに、それに対する共和党の反応が注目点。まずは国内でどのように意見集約さ
れるかだ」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との声が出ている
。
さらに週末のG7に向けて「国際的にどこまで枠組みを広げられるかがポイント。新興
国を取り込めなければ、規制は十分に働かない」(住友信託、瀬良氏)という。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)
※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net
E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)
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