欧州市場サマリー（8日）

　 　　 1415GMT　　　　　5日

ユーロ／ドル 　 1.3668 　　　1.3662

ドル／円 　 89.370 　　　89.330

ユーロ／円 　 122.17 　　　122.08

　　　　　　　　　　　　　　8日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5092.33（＋31.41） 5060.92

　　クセトラＤＡＸ　　　　　5484.85（＋50.51） 5434.34

金　現物午後値決め 1064.00 1058.00

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(３月限)　 99.290 (‐0.005)　　0.295(0.300)

独連邦債２年物 1.009(0.975)

独連邦債１０年物(３月限) 123.97 (‐0.23) 3.142(3.106)

独連邦債３０年物 　 3.833(3.813)

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　＜為替＞ ユーロが対ドルで安定的に推移している。小幅ながらもリスク選好度が再

び高まり、一部ユーロ圏諸国の財政問題をめぐる懸念を相殺している。

　ただ、ユーロに対するセンチメントは全般的に下向きで、ユーロ／ドルは８カ月半ぶり

の安値付近にとどまっている。　　

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反発。ユーロ圏ソブリン債をめぐる根強い懸念が金融

株を圧迫したものの、鉱山株やディフェンシブ銘柄の上げが相場を押し上げた。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は値動きの荒い展開となった。年初からは６％下

落している。

　ランドゴールド・リソーシズの強い決算が、鉱山株全体を支援。ランドゴール

ドは通期利益が７９％の大幅増益になったことを明らかにし、６．４％上昇した。　

　エクストラータは３．６％高。２００９年利益が予想と一致する４１％減とな

り、配当支払いを再開する方針を明らかにした。

　石油株も上昇。ロイヤル・ダッチ・シェルが１．２％高、ＢＰが０．５

％高。

　一方、ＢＧグループは１．６％安。バークレイズ・キャピタルは同社の投資判断

を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。

　リスク選好が低下するなか、ディフェンシブ銘柄はしっかり。医薬品・たばこ株の上昇

が目立った。

　医薬品ではアストラゼネカ、グラクソ・スミスクライン、シャイア

が０．２―１．８％値上がりした。インペリアル・タバコは１．７％、ブ

リティッシュ・アメリカン・タバコも２．３％、それぞれ上昇した。

　金融株の下げがきつかった。バークレイズ、スタンダード・チャータード（ス

タンチャート）銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）

、ロイズ・バンキング・グループが０．３―２．３％安。

　保険株も売られ、リーガル・アンド・ジェネラル、アヴィヴァ、プルー

デンシャルが２．４―３．５％安。

　欧州株式市場は値動きの荒い展開となるなか４営業日ぶりに反発。医薬品株をはじめ

ディフェンシブ銘柄が買われたほか、コモディティ（商品）株が原油・金属価格の上昇を

手がかりに上昇した。　

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は７．２３ポイント（０．７４％）高

の９７９．３３。この日の高値は９８２．０２、安値は９６４．２２と、値動きの荒い展

開となった。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は３２．６５ポイント（１．２４％）高

の２６６４．２９。

　ウニクレディトのグローバル株式戦略主任のゲルハルト・シュワルツ氏は「（ユーロ圏

のソブリン債をめぐる問題の）全容やどのような支援が実施されるかがより明確にならな

ければ、値動きの荒い状況はしばらく続くだろう」と述べた。

　５─６日にカナダで開催された７カ国財務相・中央銀行総裁会議（Ｇ７）で欧州メンバ

ーはギリシャの財政健全化計画について、目標を達成することを確信しているとの見方を

示した。

　ただ、投資家は、ユーロ圏の債務問題に対する一段の取り組みが行われるかを注視して

いる。

　ディフェンシブ銘柄では、医薬品のサノフィ・アベンティス、グラクソ・ス

ミスクライン、アストラゼネカが１．１─２．５％高。

　食品のネスレも２．２％高。

　金属価格が前週の安値から戻すなか、鉱山株が高い。エクストラータは３．６

％高。同社は、中期的な商品需要に対し堅調な見通しを示し、配当支払いを再開する方針

を明らかにした。

　ランドゴールド・リソーシズは６．４％高。通年利益が７９％増になったこと

が支援した。

　エネルギー株も原油価格の上昇に追随した。ＢＰ、トタル、ロイヤル・

ダッチ・シェルは０．５─１．９％高。

　ＵＢＳ、サンタンデール、デクシアなど銀行株の一角が切

り返す一方、ギリシャのナショナル・バンク、アルファ銀行、ピラエ

ウスバンクは５．４─８．５％安。

　＜ユーロ圏債券＞　周辺国債券と独連邦債の利回り格差が拡大。ユーロ圏周辺国の赤字

削減計画をめぐる懸念が根強く、国債保証コストも上昇した。

　１０年物のギリシャ国債と独連邦債の利回り格差は１２ベーシスポイント（ｂｐ）拡大

し、約３６４ｂｐ。ただ、１月末につけた過去最高水準の４０５ｂｐは下回っている。

　ギリシャの公的セクター労働組合は、政府が財政赤字削減を目指して計画している税制

改革や賃金凍結案に抗議し、１０日に２４時間ストに突入する見通し。

　１０年物のスペイン国債と独連邦債の利回り格差は１０４ｂｐと、前営業日の９３ｂｐ

付近から拡大。スペイン財務省が、２０１０年の国債発行計画を発表し、ネット発行額が

前年から３４％減の７６８億ユーロ（１０４９億ドル）になると発表したことを受けた動

き。

　ＲＩＡキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ニック・スタメンコビッチ氏は

「とりわけギリシャをめぐる疑念が存在し、スペインやポルトガルに対する疑念も高まっ

ている。投資家は依然として、ギリシャの財政計画の実施や赤字削減目標の達成を疑問視

している」と述べた。

　ＣＭＡデータビジョンによると、ギリシャの債務保証コストは一時低下していたものの

上昇に転じた。５年国債の保証料は、１０００万ユーロに対して年間４２万３０００ユー

ロ。前営業日のニューヨーク市場終値の４０万７６００ユーロから上昇した。

　ポルトガルとスペインの債務保証コストも上昇。ポルトガルの５年国債の保証料は

１０００万ユーロに対し年間２４万５０００ユーロと、前営業日のニューヨーク市場の終

値２２万６９００ユーロから上昇。

　スペインの５年国債の保証料も１７万４０００ユーロと前営業日の１６万６５００ユー

ロから上昇した。

　ＳｏｖＸ西欧１５カ国クレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）指数も上昇した。

　周辺国債券をめぐる懸念は独連邦債を下支えたものの、独連邦債先物３月限の

清算値は１２３．９１と、前営業日から２９ティック下落した。

　独連邦債２年物利回りは２ｂｐ上昇し１．０１４％。

　同１０年物利回りは０．５ｂｐ上昇し３．１５１％。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　９日　ロイター］