[ワシントン 10日 ロイター] - 複数の関係筋によると、トランプ米政権は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」で、現在800ドルとなっている輸入免税限度額の引き下げを可能にする注釈を削除するという。
免税限度額の引き下げを巡っては、輸入規模の小さい小規模事業者から懸念の声が出ていた。
一部の企業は限度額が高過ぎ、米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)やイーベイ (O:EBAY)などのサイト上で中国の販売業者に不当な価格優位性をもたらしていると指摘しているが、小規模事業者は限度額が引き下げられればコストが増大し、国際競争力が低下すると主張していた。
米・メキシコ・カナダの3カ国は10日、USMCAの修正文書に署名した。[nL4N28K4AF]
協定の全文は公開されていないが、米通商代表部(USTR)から説明を受けたある関係筋は「問題の注釈は含まれない。産業界からの圧力や多くの議員の懸念を受け削除された」と語った。
別の複数の関係筋も、USTRが注釈を削除する方針だと述べた。この注釈では、免税限度額が米国よりも低いカナダやメキシコなどの水準に将来的に一致させる可能性が示唆されていた。
イーベイは注釈の削除を歓迎。広報担当者は「USMCAは簡素化されたクロスボーダー取引を円滑にし、企業や消費者が必要とする透明性を提供することでイーベイの多くの小規模事業者を支援する」と述べた。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191211T025355+0000