■会社概要3. 市場動向(1) オンラインメディア事業オンラインメディア事業の市場は、企業が顧客獲得を目的に支出する広告宣伝費の一部であり、インターネット広告市場領域(運用型広告)として位置付けられる。
インターネット広告市場についてはここ数年、年率10%台の成長が続いているが、なかでもイノベーション (T:3970)の事業領域となる運用型広告については年率22.8%成長(2013−2018年)と高い成長が続いている。
個々の属性や行動利益に基づいた広告施策が打てることから、投資対効果が他の広告施策よりも高いことが背景にある。
運用型広告市場は2019年以降も年率2ケタ台の高成長が続くものと予想され、「ITトレンド」や「BIZトレンド」の成長余地も大きいと見られる。
特に、IT製品に関しては技術進化が激しく、「働き方改革」や人手不足といった社会環境の変化に対応した新しい製品・サービス等も相次いで創出されており、HRテック関連(採用管理、人事・配置、労務管理、育成・定着)の新サービスの掲載数並びに資料請求件数が増加傾向にある。
今後もAIやIoT、FinTechといった先進技術を使った製品が多く登場することが予見され、こうした製品の掲載数を拡充していくこと、並びにサイトの集客力を向上していくことで、売上高(=資料請求件数)も拡大していくことが予想される。
また、ビデオ(動画)広告市場もYouTube等の動画配信プラットフォームの普及拡大を背景に、2018年は前年比75.5%増の2,027億円と急成長している。
現状はBtoC向けが大半を占めているが、今後はBtoB向けでの普及も見込まれており、「Seminar Shelf」や「コクリポウェビナー」など新規サービスの成長が期待される。
(2) セールスクラウド事業調査会社※の発表によれば、MAツールの国内市場規模は2018年の390億円から2024年には940億円と年率15%超のペースで拡大する見通しとなっている。
企業のデジタルトランスフォーメーションに対する取組みが活発化するなかで、営業・マーケティング部門でも生産性向上施策としてMAツールの導入・活用が一段と進むものと予想される。
※矢野経済研究所「2019年版DMP/MA市場~デジタルマーケティングツールの活用実態とビジネス展望~」現状、同社がターゲットとするBtoB向けの中小・中堅企業においては、MAツールを使うために必要な顧客情報管理(名刺管理)の体制が整備できていない企業も多く、普及拡大の足枷となっているが、人手不足が慢性化するなかで見込み顧客の獲得から成約・育成に至るまでの一連のプロセスを自動化する効果は大きく、いずれ普及拡大していくものと弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)