[北京 7日 ロイター] - 中国は、米国産農産品の購入拡大に向け、米国から輸入するトウモロコシ、小麦、コメの年間低関税枠を拡大しない方針だ。財新が7日、農業農村省の韓俊次官の話として伝えた。中国と米国は、「第1弾」の通商合意に署名する見通しだが、この報道で、中国が数十億ドル規模の米農産品購入拡大目標をどのように達成するのか疑問がでてきた。
昨年12月、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、中国が米国産農産物の購入を2年間で320億ドル拡大すると確約したと明らかにした。
米国との通商協議の中国交渉団の1人である農業農村省の韓俊次官も12月に米国からの農産品輸入拡大要求に応えるため、米国産の小麦、コメ、トウモロコシの購入を拡大することになると発言。これを受け、これら3品目を1%の関税で輸入できる枠が拡大するとの憶測が広がっていた。
昨年9月に発表された2020年の低関税輸入枠は、19年までと変わらずだった。枠を超えた分には65%の関税がかかるため、枠外の輸入はあまりない。
財新によると、韓次官は、低関税枠は世界の市場を念頭に設定されるもので「一国のために調整することはない」と述べた。
ここ数年、中国の米国産小麦、コメ、トウモロコシの輸入は多くない。2017年の米国産農産物の輸入(約122億ドル)のうち、半分以上が大豆だった。
中国農業農村省のコメントは得られていない。