[ワシントン 15日 ロイター] - 米下院は15日、トランプ大統領弾劾訴追決議を上院に送付することを賛成多数で可決した。これによって、来週にも上院で弾劾裁判が始まる見通しとなった。
弾劾訴追決議の上院送付は賛成228反対193で可決された。弾劾訴追の根拠は、ウクライナ疑惑を巡るトランプ大統領の権力乱用と議会妨害の2つの条項。しかし、上院は与党共和党が過半数議席を握ることから、トランプ大統領が無罪となる公算が大きい。
また、野党民主党のペロシ下院議長は弾劾裁判の検察官役7人を指名し、可決された。弾劾調査を主導してきた下院情報特別委員会のシフ委員長や下院司法委員会のナドラー委員長らが含まれる。
弾劾裁判長はロバーツ最高裁判事が務める。ホワイトハウスはまだ弁護団の顔ぶれを発表していない。
共和党のマコネル上院院内総務はこれまでに、21日に裁判を開始する意向を示している。ただ、民主党はなおボルトン前大統領補佐官を含む新たな証人招致を求めており、裁判手続きを巡る攻防は続いている。
ホワイトハウスのグリシャム報道官は声明で、検察官役の指名によって「何も変わらない。大統領は何も悪いことはしていない」とし、トランプ大統領は「完全に潔白が証明されると予想している」と述べた。