[パリ 20日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は20日、石油・ガス会社に対し、二酸化炭素(CO2)排出量が少ない低炭素エネルギーへの投資を増やさなければ、社会からの反発が強まり、長期的な利益や社会的地位を脅かされる可能性があると警鐘を鳴らした。
世界経済フォーラム(WEF)と共にまとめたリポート中でIEAは、地球温暖化に歯止めをかけるためにクリーン・エネルギーに移行する動きが世界的に広がる中で、石油・ガス会社は重大な課題に直面していると指摘した。リポートはWEF年次総会(ダボス会議)に提出される。
エネルギー関連のCO2排出量は2018年に過去最大を記録した。エネルギー関連の排出量のうち15%前後が石油やガスの掘削および消費者への輸送プロセスに由来するという。
IEAは、2015年のパリ協定に沿う形でどのように排出量を減らすのか石油・ガス会社に説明を求める圧力が強まっているとも指摘。ビロル事務局長は声明で、「業界のあらゆる部門が、どう対応するか検討する必要がある。何もしないという選択肢はない」と強調した。
事務局長は「業界のすべての部門にとって、当面の課題は事業活動で排出される二酸化炭素を減らすこと」とし、メタンガスの漏出を減らすなど、かなりの部分を比較的迅速かつ容易に減らすことができるとの見解を示した。
さらに、業界にとってもうひとつの重要な課題は、水素やバイオメタノール、先進型バイオ燃料といった、よりクリーンな燃料への投資を増やすことと指摘した。