欧州市場サマリー（19日）

　　　　　　　　　　　　　　1114GMT 　　　　 　 18日

ユーロ／ドル 　　 1.3557　　　　　 1.3606

ドル／円 　　　　 90.45 　　　　　 90.37

ユーロ／円 122.64　　　　　 122.96

　　　　　　　　　　　　　　19日終値 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5650.13（＋ 7.51） 5642.62

　　クセトラＤＡＸ　　　　　5982.43（‐29.88） 6012.31

金　現物午後値決め 1105.50 　 1122.75

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 99.245 (‐0.020)　　0.294(0.293)

独連邦債２年物 0.913(0.907)

独連邦債１０年物(６月限) 123.12 (＋0.04) 3.122(3.134)

独連邦債３０年物 　 3.905(3.922)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロが対ドルで下落し２週間超ぶり安値をつけた。ギリシャの債務問題を

めぐる懸念が根強い。来週の欧州首脳会議でギリシャ支援が確約されるか様子見となって

いる。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反発し、終値としては２１カ月ぶり高値をつけた。ロイ

ズ・バンキング・グループが２０１０年に黒字に転換するとの見通しを示したこ

とを手がかりに、銀行株の買いが優勢となった。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は終値ベースで２００８年６月２５日以来の高値を

つけたほか、一時５６９１．２２に上昇し、２１カ月ぶりの日中高値を更新した。

　前日売られていた銀行株は急伸。ロイズは８．２％高。同行は、不良債権が予想を超え

て減少していることやコスト削減努力が奏功し、１０年は黒字に転換するとの予想を発表

した。

　その他、バークレイズは１．３％高、ロイヤル・バンク・オブ・スコットラン

ド（ＲＢＳ）は４．８％高となった。

　ＩＧインデックスのセールズ・トレーダー、フィリップ・ジレット氏は「相場は底堅く

推移したが、来週の英予算発表を控え方向間に欠ける展開となった。予算発表前までに大

きな動きは見られないだろう」と指摘した。

　ヘッジファンド大手マン・グループや資産運用会社シュローダー、投資

会社リゾリューションも高い。

　ドイツ銀行はリゾリューションの投資判断を据え置き、目標株価を引き下げたものの、

来週発表される決算を受け「不当なほどの値ごろ感」が示される可能性があるとの見方を

示した。　

　この日は先物やオプションなど４種類の清算日が重なるクアドルプル・ウィッチングと

なったことで、商いは活況となった。ただ、ドル上昇が金属価格を圧迫し鉱山株に売りが

出るなか、相場は午後に入り上げを削った。

　ユーラシアン・ナチュラル・リソーシズ、フレスニロ、カザキミス

、エクストラータ、ＢＨＰビリトンは０．３─２．３％安。

　欧州株式市場は続落。ドルが対ユーロで地合いを回復するなか商品相場が軟調となり、

終盤にかけて資源関連株に売りが広がった。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は４．２１ポイント（０．３９％）安

の１０６５．４８。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は１５．７９ポイント（０．５４％）安

の２８９７．９５。

　銀行株の上げが相場を一時支援した。ＵＢＳ、バークレイズ、クレ

ディ・アグリコルが１．３―２．０％高。

　ロイズ・バンキング・グループは８．２％高と急伸した。２０１０年に黒字転

換するとの見通しを示したことが好感された。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数はほぼ終日プラス圏で推移していたが、ドル高

を受けた石油・金属相場の軟調を背景に米株価が下落するなか、米株安に追随しマイナス

圏に転じた。

　金属相場安に伴い鉱山株が売られ、リオ・ティントが１．６％安。アングロ・

アメリカンが２．５％、エクストラータが２．３％がそれぞれ下落。トタ

ルも０．５％値下がりした。

　ギリシャの財政問題がこの日も注目された。レーン欧州委員（経済・通貨問題担当）欧

州連合（ＥＵ）が来週の会合で同国支援をめぐり明確な合意に達するべきとの考えを示し

たものの、投資家の間では、ユーロ圏によるギリシャ救済体制の構築が不可能になる恐れ

があるとみられている。

　＜ユーロ圏債券＞　ギリシャ国債が独連邦債をアンダーパフォームした。債務問題に直

面するギリシャに対する支援の形が不透明ななか、投資家は引き続き慎重さを見せている。

　この日は重要指標の発表や入札がなかったことからギリシャ問題が焦点となった、とト

レーダーは指摘した。

　ギリシャ労働総同盟（ＧＳＥＥ）の年次会合で演説したパパンドレウ首相は、同国はあ

と一歩で借り入れ不能な状態になるとの見方を示し、債務危機克服に向けた努力への協力

を労組に呼び掛けた。

　欧州委員会のレーン委員（経済・通貨問題担当）は、欧州連合（ＥＵ）首脳が来週の会

合でギリシャ支援をめぐり明確な合意に達するべきとの考えを示した。ただ、フランスと

ドイツは異なる主張をしている。

　大和キャピタル・マーケッツの欧州エコノミスト、コリン・エリス氏は「次の主要イベ

ントは来週ブリュッセルで開催されるＥＵ首脳会議だ。投資家は方向性を探っているとこ

ろなのではないかと思う」と指摘。ギリシャは５月末までに何らかの方法で必要な資金を

調達し、国債が債務不履行に陥ることはないとの見方を示した。

　１０年物のギリシャ国債と独連邦債の利回り格差は３２８ベーシスポイント（ｂｐ）。

一時、３月初旬以来の水準である３３３ｂｐに拡大した。トレードウェブの前日清算値は

３１８ｂｐだった。

　ギリシャ国債１０年物の利回りは、前日終盤の６．３４％から

６．４５％に上昇。同２年物利回りは５．３０４％。５０ｂｐ程度のビ

ッド・オファー・スプレッドが流動性の低さを示している。

　ＣＭＡデータビジョンによると、ギリシャ国債のクレジット・デフォルト・スワップ

（ＣＤＳ・５年物）スプレッドは３３７．３ｂｐと、ニューヨーク市場終値の３１５．６

ｂｐから拡大した。

　ＣＤＳスプレッド１ｂｐは、債務１０００万ユーロに対する保証料１０００ユーロに相

当する。

　独連邦債先物６月限の清算値は１１ティック高の１２３．１９。１２２．８７

─１２３．２７と狭いレンジ内での取引となった。

　独連邦債２年物利回りはほぼ横ばいの０．９０９％。同１０年物利回り

は２．３ｂｐ低下し、３．１１２％。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　２０日　ロイター］