[メルボルン 12日 ロイター] - 原油先物価格は12日のアジア時間に上昇。サウジアラビアによる6月以降の追加減産計画が好感されている。
北海ブレント先物 (LCOc1)は一時1バレル=30.11ドルに上昇し、0021GMT(日本時間午前9時21分)時点で0.28ドル(0.9%)高の29.91ドル。前日の下げ分の一部を取り戻した。
米WTI (CLc1)は0.24ドル(1%)高の24.38ドル。一時24.77ドルの高値を付けた。
サウジのエネルギー省当局者は11日、国営石油会社サウジアラムコに対し、6月の産油量を追加的に日量100万バレル削減するよう指示したと明らかにした。6月の産油量は日量750万バレルと、4月比で40%近く減少することになる。
アクシコープのチーフ市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「この減産は石油輸出国機構(OPEC)プラスのメンバーに減産合意の順守だけでなく自主的な追加減産を促し、世界の石油市場の再均衡化を加速させるとの見方が出ている」と分析。OPECプラスはOPEC加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する。
サウジに続き、アラブ首長国連邦(UAE)とクウェートもOPECプラスの減産合意に加え6月に追加的な減産を実施すると表明した。
これら追加減産のほか、主要国による新型コロナウイルス対応の封鎖措置の緩和とそれに伴う原油需要の回復が、原油貯蔵量の増加圧力を和らげると期待されている。ただ、中国や韓国での新型コロナの集団感染の報告を受け、市場は感染の第2波到来に警戒している。