11日の中国本土市場は値下がり。
主要指標の上海総合指数は、前日比17.95ポイント(0.53%)安の3342.20ポイントと続落した(上海A株指数は0.53%安の3502.88ポイント)。
資金流出が警戒される流れ。
中国・香港間の相互取引スキームを通じた10日の売買では、香港経由の深センと上海を合わせた本土株売買が今月に入り初めて売り越しとなった(11日前場も売り越し)。
また、指標低下も引き続き売り材料視されている。
10月の中国物価統計が予想より悪い内容となる中、中国の景気回復が遅れていると不安視された。
ただ、下値は限定的。
「指標悪化は景気対策につながる」との見方も一部で浮上し、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。
中国の重要会議で策定された第14次5カ年計画(2021〜25年)では、内需を重視する方針が示されている。
(亜州リサーチ編集部)業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。
IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)がストップ安、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)大手の聞泰科技(WINGTECH:600745/SH)が6.0%安、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が3.5%安で引けた。
医薬品株も安い。
薬明康徳(603259/SH)が4.5%下落した。
自動車株、海運株、メディア関連株なども売られている。
半面、ゼネコンや建機、素材のインフラ建設関連は逆行高。
中国交通建設(601800/SH)が5.6%、安徽海螺セメント(600585/SH)が3.7%、三一重工(600031/SH)が3.6%ずつ上昇した。
来年から始まる新5カ年計画を見据え、インフラ投資が加速するとの期待が改めて強まっている。
エネルギー株、不動産株、公益株、金融株の一角も買われた。
一方、外貨建てB株相場は値下がり。
上海B株指数が0.95ポイント(0.38%)安の251.17ポイント、深センB株指数が0.71ポイント(0.07%)安の955.94ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)