[ワシントン/リヤド 4日 ロイター] - ペルシャ湾岸のアラブ諸国でつくる湾岸協力会議(GCC)が5日に開く首脳会議で、サウジアラビアなど4カ国とカタールは3年におよぶ対立関係に終止符を打つことで正式合意する見通しだ。トランプ米政権高官の1人が明らかにした。
サウジ、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、エジプトは2017年半ば以降、カタールがテロを支援しているとの理由で同国と断交。カタール側はそうした行為を否定し、4カ国が実施した禁輸措置は主権侵害だと反発していた。
ただクウェートのアフマド・ナセル・アル・サバハ外相は地元テレビで、双方が和解するとともに、その一環としてサウジはカタールに対して陸海空の国境を開放すると発言した。
国営サウジ通信(SPA)によると、サウジの事実上の国政指導者となっているムハンマド皇太子は今回のGCC首脳会議について、さまざまな試練に直面しているアラブ諸国の結束を促す場にすると表明したという。
先のトランプ政権高官は、首脳会議でムハンマド氏とカタールのタミム首長が和解協定文書に調印すると述べた。
カタールとの和解を巡り、サウジは前向きだった一方で、他の3カ国は慎重姿勢を示してきた。しかし同高官は、3カ国も国交再開に踏み切ることが米国の要望だとの見方を示した。
背景には関係国全てが米国と同盟しているという事情がある。カタールには中東最大の米軍基地が存在するが、バーレーンは米第5艦隊の母港で、サウジとUAEにも米軍が駐留している。
GCC首脳会議には和解交渉の仲介役を務めたトランプ氏の娘婿、クシュナー大統領上級顧問も出席して協定調印に立ち会う、と高官は説明した。