今年の市場全体の暴落は、高いインフレ率や金利上昇などのマクロ経済の逆風を一身に受け、かつて株式市場の寵児だった企業、特に勢いのあるハイテク株にとって厳しいものとなっている。
例えば、 NASDAQ 100 Technology Sector Indexは前年同期比で25%以上下落し、S&P/ASX All Technology Indexは同期間で約31%下落している。
しかし、5カ月連続の下落で、もう十分下落したとの見方もある。
この記事では、ハイテク株の買いを考えている逆張り投資家にとって魅力的な3つの上場投資信託(ETF)を紹介する。
1. Technology Select Sector SPDR Fund
-
現在価格:140.00ドル
-
過去52週間のレンジ:127.04ドル~177.04ドル
-
配当利回り:0.81%
-
経費率:年率0.13%
本日の最初のETFは、Technology Select Sector SPDR® Fund (NYSE:XLK)である。ソフトウェア、ハードウェア、ストレージ・ソリューション、通信機器などを提供する企業に投資している。また、半導体株へのアクセスも可能になっている。このETFは、1998年12月に上場した。
XLKはTechnology Select Sector Indexに連動し、現在76銘柄を保有している。ポートフォリオの約3分の1がソフトウェア企業で占められている。次に、テクノロジー・ハードウェア、ストレージ、周辺機器(23.20%)、半導体・半導体製造装置(20.52%)、ITサービス(17.27%)となっている。
組入れ上位10銘柄で純資産額418億ドルの3分の2近くを占めている。Microsoft (NASDAQ:MSFT) とApple (NASDAQ:AAPL)が最も多く、それぞれ22%近くを占めている。その他の上位銘柄は、Visa (NYSE:V)、Mastercard (NYSE:MA)、NVIDIA (NASDAQ:NVDA)、Broadcom (NASDAQ:AVGO)、 Adobe (NASDAQ:ADBE) などの企業が名を連ねている。
XLKは2021年後半に過去最高値を更新した。しかし、これまでの年初来では約19.49%下落している。
株価収益率(PER)は22.30倍、株価純資産倍率(PBR)は8.08倍となっている。MSFTとAAPLへの高いエクスポージャーを特に望むテクノロジー強気の人々は、当ETFにアンテナを張っておくとよいだろう。
2. Invesco PHLX Semiconductor ETF
-
現在価格:24.11ドル
-
過去52週間の間 レンジ:21.72%~32.01%
-
配当利回り:1.0%
-
経費率:年率0.19%
マッキンゼー社の最近の調査では、半導体産業の 「年平均成長率は2030年まで6〜8%になる可能性がある」と指摘されている。また、ほとんどのアナリストは、半導体部門を制約している供給不足が今後数カ月で緩和され始めるだろうという意見に同意している。
しかし、PHLX Semiconductor Sector Indexは、年初来で21%以上下落している。したがって、次のETFであるInvesco PHLX Semiconductor ETF (NASDAQ:SOXQ) は、半導体株への適切なエントリー・ポイントを探している投資家にとっても魅力的なことだろう。このETFは2021年6月に取引を開始し、純資産は6280万ドルとなっている。
SOXQは現在30銘柄を保有している。ポートフォリオの40%以上が、有力10銘柄で占められている。その中には、ブロードコム、 Intel (NASDAQ:INTC)、Advanced Micro Devices (NASDAQ:AMD)、Qualcomm (NASDAQ:QCOM)、NVIDIA、KLA-Tencor (NASDAQ:KLAC)、Analog Devices (NASDAQ:ADI)も含まれている。
長期的なポートフォリオでは、主要な半導体株への投資で利益を得ることが多いので、SOXQは読者の注意を引くべきだろう。今年に入ってから、SOXQは22.9%下落している。株価収益率(PER)は17.61倍、株価純資産倍率(PBR)は5.88倍である。
3. Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF
-
現在の価格:23.79ドル
-
過去52週間のレンジ::20.88ドル~39.99ドル
-
配当利回り:0.25%
-
経費率:年率0.68%
過去10年間、イノベーションは株式市場の主要な成長要因であった。
「世界の人工知能(AI)ロボットの市場規模は、2027年までに379億ドルに達すると予想されている。」
現在のレベルからのこのような指標は、32%以上の累積年間成長率を意味する。
3つ目のテック関連ETFは、ロボットと人工知能(AI)を支える技術革新と開発の中心にあるグローバル企業に投資するGlobal X Robotics & Artificial Intelligence ETF (NASDAQ:BOTZ)である。同ファンドは2016年9月に発売さ れた。
BOTZは現在38銘柄を保有している。産業機械が44.3%でトップ、次いで情報技術(38.7%)、ヘルスケア(11.4%)、一般消費財(2.6%)となっている。
組入れ上位10銘柄は、純資産16億ドルの3分の2近くを占めている。その中には、 NVIDIA、ロボットとオートメーションの大企業ABB (NYSE:ABB)、日本の電機・自動化機器の販売を手掛けるKeyence (OTC:KYCCF)、ロボット手術のリーダー、Intuitive Surgical (NASDAQ:ISRG)、そして FA機器に焦点を当てている日本の Fanuc (OTC:FANUY)が含まれている。
BOTZは1月以来、その価値の3分の1に下落している。株価収益率(PER)は現在35.49倍、株価純資産倍率(PBR)は4.10倍となっている。今年に入ってから33%以上下落したが、このテーマETFは成長志向のポートフォリオに位置づけられると考える。