[上海 11日 ロイター] - 今週の中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、エネルギー政策の重要な一環として石炭をフル活用するとの発言が相次いだ。
経済の安定と長期的な気候変動目標の間でバランスを取る狙いがある。
習近平国家主席が石炭の重要性を改めて指摘したことを受けて、全人代の代表からは石炭技術への投資拡大や石炭会社の利益を下支えする新たな政策を求める声が上がった。
習主席は中国は「石炭は豊富で、石油は少なく、ガスは不足している」と発言。「現実から遊離できない」と述べた。
グリーン移行はプロセスであり、石炭に「急ブレーキをかける」わけにはいかないとも発言した。
全人代では、二酸化炭素回収・貯留など「スマート」石炭技術への投資を通じて、石炭開発と二酸化炭素排出のバランスを取るべきだとの声が上がったほか、非公開会議の議事要旨によると、市場への供給を増やし、石炭化学産業をさらに発展させる対策を求める声も出た。