[ヒューストン 24日 ロイター] - 米国の製油所は、今月に入って中東地域から燃料油調達を開始していることが、海運関係のデータから確認された。バイデン政権がロシア産原油の禁輸措置を打ち出したためだ。
米国は昨年、さまざまな種類の燃料油と他の原料を日量約70万バレル輸入し、その大半はメキシコ湾岸の製油施設に送られた。調査会社Kplerのデータによると、昨年米国が輸入した燃料油の半分弱をロシア産が占め、メキシコ産が20%、中東はおよそ5%だった。
ところがリフィニティブ・アイコンのタンカー追跡データ速報に基づくと、今年4月の米国による燃料油購入分の少なくとも17%は中東のサプライヤーが取引相手になるとみられる。
Kplerのデータでは、4月中には米メキシコ湾岸に中東から約400万バレルが陸揚げされる見通し。これは少なくとも過去12年で最も多い。昨年は年間陸揚げ量が1300万バレルだった。
同社のアナリスト、マット・スミス氏は「米国の燃料油購入先が変化している様子がはっきりと分かる」と述べた。ただ消失したロシア産の輸入規模を踏まえると、その穴埋めには苦労する可能性があるとみている。
中東から調達し、4月に陸揚げされる分のうちでは、サウジアラビアとクウェート、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)の燃料油が全体のほぼ半分。UAEとクウェートから到着すれば8カ月ぶりとなる。既に今月、イラクの燃料油が昨年半ば以降で初めて米国に陸揚げされた。