[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は、ロシアのプーチン大統領の要求通りにロシア産ガス代金をルーブルで支払うことはEUの対ロ制裁体制を崩すことになるとの見解を内部資料で示した。
欧州委はこの資料について、技術・予備的なもので、3月31日のロシア大統領令の非公式翻訳に基づくとした上で、大統領令がEUのガス輸入国に新しい義務を負わせ、ガス購入を有効に完了させる手段が自国からなくなることにつながると指摘した。
大統領令はEUのガス輸入国に対し、ガスプロムバンクに少なくとも2つの特別口座(ユーロまたはドル建ておよびルーブル建て)を開設し、全てのガス代金を同銀行経由で支払うことを義務付けた。
欧州委によると、EUの買い手は契約通貨であるユーロまたはドルで支払うが、ガスプロムバンクがロシア中央銀行との取引で通貨をルーブルに交換し、ルーブルを第2の口座に預けて初めて購入が完了する。
欧州委は、支払いが完了するのは契約通貨が口座に入金された時点ではなく、「外貨がルーブルに交換され、第2の特別口座に入金された時点だ」と指摘。このプロセスは全てロシアが監督することになるため、欧州企業は支払いの時点から資金を管理できなくなり、予測不可能な追加コストが発生することになると指摘している。
「ロシアは中銀を通じて、外貨を完全に管理し、自国の利益のために完全に操作することができる」とし、例として適用される為替レートに言及した。