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自動車各社、ロシアリスクでパラジウムからプラチナへの代替加速=報告

発行済 2022-05-16 14:37
更新済 2022-05-16 14:46
© Reuters.  5月16日、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の16日発表の四半期報告書によると、今年のプラチナ市場は62万7000オンスの供給超過となる見通

[ロンドン 16日 ロイター] - ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の16日発表の四半期報告書によると、今年のプラチナ市場は62万7000オンスの供給超過となる見通しだ。3月時点の予想65万2000オンスから下方修正した。昨年は113万オンスの超過だった。世界のパラジウム供給の約25─30%を占めるロシアからの供給を懸念する自動車各社が、プラチナへの乗り換えを急いでいることが背景という。

© Reuters.  5月16日、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の16日発表の四半期報告書によると、今年のプラチナ市場は62万7000オンスの供給超過となる見通しだ。写真はパラジウムのインゴット。露クラスノヤルスクで3月撮影(2022年 ロイター/Alexander Manzyuk)

ロシアはプラチナも生産するが、世界シェアは約8─10%。

自動車メーカーはパラジウムより安いプラチナに既にシフトしつつあったが、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁を巡る懸念がこの傾向を強めている。プラチナ相場は現在1オンス=950ドル前後で、パラジウムの約半値。自動車業界のパラジウム消費量は年間約850万オンスで、プラチナは約250万―300万オンス。

現段階ではロシアからの輸出が制裁で抑制されたことは示されていないが、ウクライナ危機の長期化に伴いロシアの金属をボイコットする企業がさらに増えたり、各国・地域政府が制裁を強化したりする可能性がある。報告書によると、プラチナは今年全体では需要が昨年より2%増え、供給が5%減る見通し。自動車業界からのプラチナ需要は小型車生産の増加や、排出量削減のための燃費規制などもあって、16%増加と見込んでいる。

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