[ニューデリー 19日 ロイター] - インド国営石油会社ヒンドゥスタン・ペトロリアムのジョシ会長は19日、インド政府がロシアから割安な価格で原油を購入する交渉を進めていることを明らかにした。
ジョシ氏は四半期決算発表会見の席で「政府間レベルで進行中の協議がある」と発言。「われわれはいかなる種類の機会にも前向きで、政府間で何らかの合意があれば、われわれがそれに加わるのは間違いない」と述べ、インド政府が直接関与していることを認めた。輸送費や保険の条件などテクニカルないし採算上のさまざまな点で妥当性があるなら、同社が今後、ロシア産原油を積極的に利用する意向を明確にした。
西側諸国はウクライナに侵攻したロシアに厳しい制裁を科し、西側の多くの国はロシアからの原油輸入を禁じるか敬遠している。ただ、インドは石油の輸入量と消費量がともに世界第3位。他の多くの国と同じくインフレに苦しみ、燃料高騰に伴う輸入コスト増大と国内消費者の負担を抑えるのに必死になっている。
ロイターの試算によると、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日以降、インドのロシア産原油購入量は昨年全体の2倍を超えた。複数の関係者はインドの買い手には割引価格が適用されていると話している。
ジョシ氏は交渉中の原油購入の規模や価格については、「双方の商業上の利害」を理由に明らかにすることを拒んだ。