[シンガポール 31日 ロイター] - アジア時間の原油先物は上昇。欧州連合(EU)首脳がロシア産石油について今年末までに90%の輸入を停止することで合意したことを受けた。米欧で夏のドライブシーズンが本格化するのを前に、需給逼迫懸念が一段と強まった。
0054GMT(日本時間午前9時54分)時点の北海ブレント先物は、この日が取引最終日となる7月物が0.33ドル高の1バレル=122ドル。売買高が多い8月物は0.33ドル高の117.93ドル。
米WTI先物は117.31ドル。前週末27日の清算値から2.24ドル上昇している。
SPIアセット・マネジメントのマネジングパートナー、スティーブン・イネス氏はほぼ全てのEU加盟国がロシア産原油禁輸を支持していたため、市場は「欧州の今年のロシア産原油輸入が大幅に減ることを既に織り込んでいた」ようだと指摘。
市場は中国の原油需要増も織り込みつつあるが、ガソリン価格の高騰がドライブシーズンの需要の一部崩壊につながる可能性に関する懸念が鮮明になっていると指摘した。
中国の需要は、新型コロナウイルス関連規制の緩和を受けて持ち直すとみられている。上海市は、2カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)を6月1日深夜に解除すると発表。自家用車の走行を認めるほか、感染リスクの低い住宅地を自由に行き来できるようになる。