[キーウ(キエフ)/国連/アンカラ 25日 ロイター] - ウクライナ政府当局者と国連は25日、先週のロシアとの穀物輸出を巡る合意の下、輸出第1陣が数日内に黒海沿岸の港湾から出航するとの見通しを示した。
ロシアは合意署名の翌日の23日にオデーサ港をミサイルで攻撃。ウクライナのクブラコフ・インフラ相はこれについて「主なリスクであり、市場が脅かされる可能性があることは理解している」と述べた。
これにより合意の実現性に疑問が生じたものの、ファルハン・ハク国連事務総長副報道官は「全ての当事者がコミットメントを再確認した」と述べた。
ロシアとウクライナは22日、ウクライナに滞留する穀物の輸出再開に向けた合意文書に署名。仲介役を務めた国連のグテレス事務総長とトルコのエルドアン大統領は、世界的な食料危機緩和への一助になるという認識を示した。
政府当局者はキーウ(キエフ)で行った記者会見で、同合意に基づく穀物輸出が週内にオデーサ(オデッサ)州のチョルノモルスク港から再開され、2週間以内に合意に含まれる全ての港からの輸出が再開できるよう望んでいると述べた。
クブラコフ氏は記者会見で、黒海の港湾施設から輸出が再開されれば、毎月少なくとも10億ドルの収入が得られるとの見通しを示した。
また、ウクライナ農業政策・食料省の高官は25日、同合意により、ウクライナの穀物輸出は近い将来に月350万トンに達するかも知れないと指摘。輸出量は8月の150万トンから月ごとに徐々に増加するとの見通しを示した。
国連の報道官は、同合意に基づき、黒海の港からウクライナの穀物を輸出する最初の船舶が数日以内に出港するかもしれないと述べた。ジョイント・コーディネーション・センター(JCC)が海運業界と連絡を取り、近い将来に船舶の詳細な手続きを公表するという。
トルコのアカル国防相は25日、合意に基づく穀物出荷を可能な限り早期に行うことが重要だと指摘。トルコは合意の下でなすべきことを引き続き実施していくとしたほか、JCCでの作業が懸命に続けられていると述べた。