[31日 ロイター] - S&Pグローバル・モビリティーは、地政学的緊張の影響にさらされている脆弱なサプライチェーンが電気自動車(EV)向けバッテリーの生産拡大計画に打撃を与え、EVの普及を遅らせる可能性があるという認識を示した。
2030年までにリチウムイオン電池への需要が年間約3.4テラワット時(TWh)に達すると見込まれる中、原材料の調達が課題になると指摘。さらに、バッテリー向け金属の価格高騰はサプライヤーや自動車メーカーの利益率を脅かし、部品やEV販売価格の押し上げにつながる可能性があるという見方を示した。
S&Pグローバル・モビリティーはレポートで「リチウムやニッケル、コバルトなどは魔法のように現れ、EV向けバッテリーやその他の部品に変化するわけではない」とし、原材料の掘削から最終的な自動車組み立てに至るプロセスにおいて、生産の中間段階がとりわけネックになるという見方を示した。
ロイターによると、世界の自動車メーカー大手はEV開発・生産に向け、2030年までに約1兆2000億ドルを支出する計画。