[国連 31日 ロイター] - 国連人道問題調整室(OCHA)のグリフィス室長(事務次長)は31日、ロシアがクリミア半島の黒海艦隊が攻撃受けたとしている10月29日の夜、国連が仲介する黒海の回廊を通じてウクライナから穀物を輸送する取り決めに基づき、黒海を航行していた貨物船はなかったと述べた。
ロシア国防省は、ウクライナが29日、ドローン16機でクリミア半島セバストポリ近郊の黒海艦隊を攻撃したと主張。一部のドローンはウクライナの港から穀物を輸送するためにウクライナ、もしくは西側諸国がチャーターした民間の船舶から放たれた可能性があると示唆している。
ウクライナは、ロシア海軍は正当な軍事目標との見解を示しているが、この攻撃の背後関係について肯定も否定もしていない。
グリフィス氏は国連安全保障理事会で、貨物船が利用された可能性があるとするロシアの主張について「攻撃があったとされる10月29日の夜、(穀物輸出のための)回廊を航行している船舶はなかった。週末の間に事件を報告した船舶もない」と述べた。
30日にも同回廊を航行した船舶はなかった。
ロシア政府は29日、国連が仲介した黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意への参加を停止した。
これについてグリフィス氏は、国連の理解では、停止中であっても合意と公約は効力を持ち続けるとし、これにはロシアもウクライナも貨物船や港湾施設を攻撃しないとの誓約が含まれていると指摘した。
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