[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツ政府高官は9日、インドネシアのバリ島で15、16日に開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)について、現時点でウクライナ戦争を巡る文言など多くの点でシェルパ同士の論争が続いている状態であり、本会議では共同声明の採択に苦慮するとの見通しを示した。
今年のG20は、ウクライナ戦争その他の問題を巡って各国が分断しており、とりわけ作業が困難だと説明。あまりにも摩擦が激しく、一部の国は昨年の会議で妥結した問題を蒸し返そうとしかねないほどだと述べた。
高官は、ドイツとしては首脳会議で派閥が形成されるのを避けたい意向であり、会議の成功を測る尺度として共同声明の有無だけでなく、二国間協議も重視するとした。
仮にロシアのプーチン大統領が出席した場合の対応について、ドイツ政府は特段の準備をしていないとも述べた。
首脳会議でウクライナを巡る和平協議が行われる可能性については、元よりそうした場にはふさわしくないと指摘。ロシアが必要な第一歩を踏み出す用意がない以上、偶発的に実現する可能性は小さいとの見方を示した。
高官は、米国が保護主義を強めていると見ている国が多く、会議では米国との貿易紛争も議題に上る可能性があるとした。