[シャルムエルシェイク(エジプト) 17日 ロイター] - 国連は17日、エジプトのシャルムエルシェイクで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)の合意案を発表した。
発表したのは「ノンペーパー」と呼ばれる第一次草案。昨年のCOP26で採択した成果文書「グラスゴー気候合意」で示した目標の多くを改めて盛り込む一方、争点とされる項目の言及はなく、最終的な取りまとめにはなお曲折が予想される。
草案は、石炭火力発電を巡る対応について、グラスゴー気候合意の「温室効果ガスの排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的削減と非効率な化石燃料補助金の段階的廃止・合理化に向けた措置の加速」の目標をあらためて示した。
インドや欧州連合(EU)が求めていた、化石燃料の段階的削減という文言は入っていない。
気候変動による災害被害を受けた国を支援する「損失と被害」基金の発足に関する具体的内容も入っていない。
気温上昇の抑制はグラスゴー合意を踏襲し、「世界平均気温の上昇を産業革命前に比べて2度より十分低く保つとともに、1.5度に抑える努力を追求するというパリ協定の目標の達成に向け、あらゆるレベルであらゆる努力を払うことの重要性」と強調した。