[キーウ(キエフ) 22日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は21日夜のビデオ演説で、ロシア軍の攻撃でインフラが大きな損傷を受けた首都キーウ、西部ビンニツァ、北部スムイ、南部オデーサ(オデッサ)などの地域を中心に全国民に節電を訴えた。
当局はまた、ロシア軍が今月撤退した南部ヘルソンの主要インフラが破壊されているとして、治安や電力に関する不安が少ない地域に高齢者や子供連れの母親などを退避させる計画を打ち出した。
国内エネルギー供給大手のトップは21日、少なくとも3月末まで停電が常態化している状況が続くとの見方を示した。ゼレンスキー氏によると、ロシアの攻撃で発電能力の半分が失われた。
同氏は演説で、エネルギーシステムの損傷があまりに大きいため、「全国民・企業が1日を通して消費電力を再配分する必要がある」と強調した。
ベレシチュク副首相は一方、対話アプリ「テレグラム」でヘルソン市民に冬の間、安全な地域に退避するための申請方法を説明した。
ロシアのペスコフ大統領報道官は先週、停電やロシア軍のインフラ攻撃はウクライナが交渉に応じなかったことの帰結だと述べて責任を転嫁。タス通信が報じた。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は21日、ロシア軍がヘルソン撤退後、ドニエプル川の対岸から同市を砲撃していると批判。「軍事的な論理はない。ただ地元の人々に報復したいだけだ」とツイートした。
ロシア軍は兵力をヘルソン周辺から東部ドンバス地域に移動させており、東部で激しい戦闘が続いている。ウクライナ軍によると、ロシア軍はドネツク州バフムトとアウディーイウカで前進を目指し、周辺地域を砲撃している。