[シンガポール 20日 ロイター] - 中国の独立系製油所は、西側諸国の制裁によりロシア産原油の値引き交渉力を強めており、低価格で購入し利益を上げていると、業界筋やアナリストは指摘している。
主要7カ国(G7)はロシア産原油に1バレル=60ドルの上限価格を設定。欧州連合(EU)は海上輸送される同国産原油の輸入を禁止した。これを受けてロシアは大幅な割引価格でアジアに原油を振り向けている。
主に中国東部・山東省に位置する独立系製油所などが輸送距離の短さや品質の良さを理由にロシアのESPO(東シベリア太平洋)原油を購入しているという。
市場筋によると、1月到着のESPOカーゴ少なくとも1隻が先週、仕向港着船渡し条件(DES)ベースで米インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント3月限に対し、バレル当たり約6.50ドル割り引いた価格で、独立系製油業者1社に売却され、値引き幅が拡大している。
山東省の石油取引関係者によると、中国の精製業者の多くは1月下旬の旧正月前に納品する原油の買い付けをまもなく終了するため、ESPOの売り手も手持ちのカーゴを多少の安値でも手放したいと考えているという。