[シンガポール 20日 ロイター] - 中国税関総署の20日のデータによると、11月の原油輸入はロシアからがパイプラインと海上輸送合わせて前年同月比17%増の781万トン(日量換算190万バレル)で、サウジからの662万トン(同11%減、日量換算161万バレル)を上回った。
ロシアからの輸入は10月の日量182万バレルからも増えた。
先進7カ国(G7)による12月5日からのロシア産原油取引価格の上限設定でロシア産石油の輸出が制限されるのを懸念し、山東省の独立系精製業者らが、既にロシアが値頃にしていた原油を駆け込みで購入した。一部の国有精製企業は西側のロシア制裁に巻き込まれるのを懸念し、購入削減を始めていたが、全体では増加した。
ただ、アナリストは中国の習近平国家主席が最近、サウジとのエネルギー取引を増やすと約束したことから、中国にとっての将来的なサウジ産原油のシェアは維持ないし増えることさえあると予想している。
11月は中国のマレーシアからの原油輸入が前年同月から約3倍になった。マレーシアは米国などの制裁を受けているイラン産やベネズエラ産の移送経由地。タンカー追跡のボルテクサ・アナリティクスの推計によると、中国は11月にイラン産を470万トン近く購入し、これは月間最多だった可能性がある。中国税関総署のデータにベネズエラやイランからの記載はない。
米国からの11月の輸入は105万トンで、今年1月以降で最多だった。米国の石油備蓄放出などによる米国産の値頃感が買いを誘ったとみられる。
Nov-22 y/y pct change Jan-Nov 2022 y/r pct change
Russia 7,814,261 16.61 79,778,118 10.18
Saudi 6,615,098 -10.67 80,377,037 -0.69
Iraq 5,683,436 65.08 50,426,880 2.79
UAE 5,090,137 13.83 37,858,541 34.19
Malaysia 4,817,403 184.23 30,157,000 94.78
Oman 3,055,094 -16.54 35,900,882 -12.85
Brazil 2,644,568 16.61 21,947,151 -22.08
Angola 2,016,147 -28.28 27,520,071 -21.63
United States 1,045,176 640.14 7,202,422 -33.91
Iran NA NA NA NA
Venezuela NA NA NA NA