[フランクフルト 20日 ロイター] - ドイツの電力、ガス、暖房、水道などの企業1900社超が加盟する業界団体BDEWの20日の発表によると、今年の同国のガス消費は暫定値で前年比14.8%減少した。
ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア産ガスの供給が大きく減り、ガス料金が高騰したことや、これまでは気温があまり冷え込まず、暖房需要が比較的高まらなかったことが背景。エネルギー節約などの政府の呼びかけも影響したもよう。
一方、BDEWの16日付の電力統計によると、今年のドイツの電力消費のうち再生可能エネルギーの割合は46.9%で、前年から4.9ポイント上昇した。太陽光発電と風力発電が増えた。
ただ、従来型発電では褐炭火力発電の割合が1.5ポイント上昇して20.4%になり、無煙炭火力発電の割合も2.1ポイント上昇して11.5%に拡大。原子力発電の低減や天然ガス高騰の影響を埋めた形になった。
石炭火力発電の拡大により、今年のドイツのエネルギー業界の二酸化炭素排出量は5.3%増加して2億6000万トンに膨らんだ。ドイツでは同業界は2030年までに年間排出量を1億800万トン未満に抑えることになっている。